<この体験記を書いた人>
ペンネーム:キジトラ
性別:女性
年齢:46
プロフィール:アラサーでオーストラリアへ移住。夫と2人で旅行を楽しむのが趣味の、主婦です。
私の父の兄である伯父(当時60代)の話です。
伯父は30代の頃から精神疾患を患い、障がい者認定を受けていました。
伯父の両親(祖父・祖母)がアパートを世話し、何とか自立生活を送っていましたが、祖父が亡くなると遊興にふけるようになり、そして生活費が足りなくなると、祖母からお金を援助してもらっていました。
しかし、その祖母が認知症を患い高齢者施設へ入所すると、伯父は弟である私の父に、お金を無心するようになったのです。
そして、私の父が予期せず大病を患って入院したときのことです。
私の母はその間、自宅で1人になりました。
私の両親は祖母の施設入所後、祖父母が住んでいた家に移り住んでおり、伯父はそのすぐ近くのアパートで生活をしていました。
母は地元出身ではなく、まだ周囲に知人がいない状況。
すると、そんな母を心配してか、近くに住んでいた伯父が母を訪ねて来るようになりました。
しかし、伯父は独身で素行もよくなかったため、母は警戒していました。
一時期、風俗に興じて、金銭トラブルを起こしていたような人だったからです。
私の父は入院する際、母に「兄(伯父)さんから金を無心されても断れ。最悪、警察に相談してもいい」と言っていました。
その伯父、最初は「何か困ったことがあれば相談して」などと母に言っていたようです。
しかし、次第にお金の話をするようになりました。
後から分かったのですが、当時伯父はスナック通いに夢中になっていたようです。
話は横へズレますが、祖母は認知症を患う前、遺言書を作成していました。
父も伯父も、現金や投資信託は半分ずつ、母屋は家族持ちである父に、投資目的で所有しているもう一件の家は伯父が相続と、内容を聞かされていたそうです。
ちなみに、投資目的で所有する家は当時、老朽化により賃貸には出しておらず、土地だけの価値しかありませんでした。
さて、伯父が母へ持ち掛けた話は驚くべき内容でした。
なんと伯父は、自身が相続予定となっている物件を、甥(私の兄、当時30代・独身)に買い取るよう、お願いしてほしいと言ってきたそうです。
「支払いは分割で、月々の支払いはこれだけ」と、詳細まで準備していたそう。
伯父はプライドが一応あったのか、弟(私の父)の妻にお金を無心するのをためらい、甥である私の兄に矛先を向けたようでした。
しかし、これには母も怒り心頭。
さすがに我が子が巻き込まれるとなると、黙ってはいられなかったようです。
そもそも当時の物件所有者はまだ祖母なのです。
相続すらしていない物件を甥に売りつけようなんて、言語道断、あり得ません。
即答で断り、伯父を家から追い出し、以降、伯父が訪ねて来ても一切中へは入れなかったそうです。
話を聞いた兄は、幼い頃伯父にかわいがってもらったこともあり「不動産は買い取れないけれど、月2、3万円くらいなら援助をしてもいい」と言っていました。
しかし、お金が遊興費に使われるのを知っている母は「自分の収入だけでやりくりしてもらわないと。みんな、そうしているんだから」と強く反対。
結局、父が退院後に伯父を説教し、伯父はしぶしぶ引き下がりました。
しかし、しばらくするとまた、伯父は何かと理由をつけては父にお金の無心を繰り返していました。
病気も完治していない中、父は伯父のせいでかなり疲れ果てていました。
しかし、その伯父も2016年に急性疾患によって72歳で他界。
祖母(当時96歳)よりも先に亡くなりました。
父は葬儀の際「あれほど親の遺産を心待ちにしていたくせに、なんで先に逝くんだ」と、こぼしていました。
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