<この体験記を書いた人>
ペンネーム:豆大福
性別:女性
年齢:51
プロフィール:社会人の息子2人と長男の嫁に孫娘が1人。息子たちは独立して私と夫は離婚。いまは犬とのんびり暮らしています。
いまから20年ほど前、私(31歳)は息子2人(小学5年、1年)を連れて夫(39歳)と再婚。
4人での生活をスタートさせて半年が過ぎた頃の事です。
夫は血のつながりがない事などを気にせず息子たちと接してくれて、息子たちも夫にとてもよくなつき、よく遊びよく喧嘩する、どこにでもいそうな4人家族でした。
ただ、リストラされた夫の再就職がなかなか上手くいかず、夫が私の扶養に入っていたことが少し気になるくらいでした。
そんなある日、夫と買い物に行き、私が野菜をかごに入れると、夫は「節約」と言って、特売品の半分傷んだ野菜と取り替えました。
「これは逆に割高じゃないの? それに鮮度が落ちると栄養価も下がると思うんだけど...」と私が言うと、夫は少し怒った様子で反論してきました。
「多少傷んでいても食べられない訳じゃないし、栄養が半分なら倍食べればお腹一杯になる」
その他にも「節約」と言って、短時間でも使わないものは家中の電化製品のコンセントや電池を外したり「洗濯の量を減らすため」と着替えは最小限、シャワーは3分以内と制限したりしていました。
以前から「節約家だなぁ」とは思うところはしばしばありましたが、ここまでとは...私はあきれると同時に、イライラが募り始めました。
そして、決定的な出来事が起きてしまったのです。
夕食のときに次男がいきなりご飯茶碗とお皿をぺろぺろと舐め始めました。
その後、きれいになった茶碗の中を夫に見せると、夫が「良し!」と言って次男の頭を撫でるのです。
私はあまりの行為に驚き、夫に聞きました。
「○○(次男)に何やらせてるの?」
「米粒やソースを残すのは勿体ないし、皿を洗う時に洗剤や水の節約になる」
確かに食べ残しは勿体ないですし、洗剤の節約もわかります。
でも、舐める以外にも方法はありますし、そもそもお皿を舐めるなんて行儀が悪い行為は許せません。
これまでのイライラが爆発し、「こんな行為は人間としての尊厳にかかわる事だ!」と、激しい口調で言いました。
すると夫は「もういい」と言って、車に乗って家を飛び出していき、翌朝になっても帰ってきませんでした。
夜になっても、その次の日になっても夫は戻ってきません。
1週間程経った頃に「隣町のキャンプ場に不審者がいる」という噂を耳にして、私は「夫に違いない」と感じ、迎えに行くことにしました。
すると、キャンプ場で焚火をしながら小さくうずくまっている夫の姿が...。
私は言い過ぎた事を謝り、問題を解決したい気持ちを伝えました。
夫も「自分も少しやりすぎだった事を反省している」と言ってくれ、それから2人でゆっくりと話をしました。
私たちの価値観が違うことが原因だと考え、お互いに考えている「大切にしたい事」「譲れない事」を整理することにしました。
「収入が無く不安なので、お金を大切に使うための節約をしたい。無駄なお金を使いたくない」
そう話す夫に、私も率直な思いを伝えました。
「電化製品はその機能を活かして使いたいので、何でもかんでもコンセントを抜くことは賛成できない。食べる事は躾けや教育の側面も考慮してほしい」
そして「節約の事ばかり考えて窮屈な思いはしたくない」と伝えると、夫も私の気持ちを分かってくれたようです。
適度な節約、窮屈過ぎない生活を送るためのルールを考えた後、2人で自宅に戻りました。
喧嘩はしてしまったものの、話し合いをしたおかげで、その後はお互いの価値観の違いを尊重し合いながら生活することが出来ました。
そしてこの出来事、意外な副産物があったのです。
話し合いが問題解決のためにとてもよかったと思った私は、職場でも課題を洗い出し、業務改善を成功させて出世したのです。
また、週に2日以上は残業しないと決めて、仕事にメリハリをつけることで、平日に私が夕飯を作る日が増えました。
夫もストレスが解消されたおかげなのか、無事に再就職が決まり「夫婦が協力して家事をこなす」といったベストな生活を送ることが出来ました。
お互いの気持ちを明かし話すのはやっぱり大切ですね。
あのとき喧嘩を放置せず、夫ときちんと向き合ってよかったです。
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