「あんな...電気が止まってな...」3万円を借りに来たママ友にお金を貸す? 貸さない?/かづ

アメブロで「~こんな事を言っちゃあなんですが!~」を運営しているかづと申します。

皆さん「ママ友」はいらっしゃいますか? 私の長きにわたる人生の中の、色んなママたちのお話をしようと思います。

※登場人物はすべて仮名です

【前回】「えらい瘦せとったな!」がんで闘病中の知人に「失礼発言」を連発するママ友に唖然...

「あんな...電気が止まってな...」3万円を借りに来たママ友にお金を貸す? 貸さない?/かづ pixta_66555235_S.jpg

いくら仲の良い間柄とはいえ、お金の貸し借りはしないに越した事は無い。

もしも貸すのであれば、あげたつもりで貸せとはよく聞く話だ。

ある日のこと、平日のお昼ご飯の時間が少し過ぎたころにチャイムが鳴った。

インターホンに出てみると、昨年末に辞めたスポーツクラブの高学年ママの谷さんがいた。

「かづさん...、ちょっといい?」

うつむき加減で声も暗く、いつもの明るい彼女とは打って変わっての姿だった。

リビングのソファーに座って貰った谷さんは神妙な顔つきで、なおもうつむいたままだった。

「コーヒーがいい?紅茶?」

そう言いながらも、今まで谷さんから相談を持ち掛けられたことが一度も無いので、なにがあってそうなったのか心がざわざわしてきた。

谷さんは高学年のお子さんがいるが、私より3つ年下だった。

「で? 何があった??」

するとぽつりぽつりと話し出した。

「あんな...電気が止まってな...今週末にガスも止まるねん...」

「えっ!!!!」

思わず大きな声が出た。

だって、谷さんが住んでいるマンションはうちのすぐ近所で、1カ月最低7万円の賃貸マンションだ。

正直言って当時のうちの住宅ローンの月額より多いんで、住んでいるのはみんな金持ちなんだろうなと思っていた。

「またなんで?? 電気止まってガス止まったら、湯も沸かせんやん! 子どもも2人おるのに!」

「旦那がすぐ仕事辞めよるねん。なんとか私の稼ぎで家賃払って学校のお金払ったら残らんでさぁ」

電気代は基本的に、検針日から30日が支払い期限になっている。

請求書に書かれている期限から20日経過した時点で支払わずにいると督促のハガキが届き、最初の支払い期限から50日くらい経過しても支払いがない場合には『送電停止のお知らせ』が届く。

もちろんそれらには延滞金が加算され、『送電停止のお知らせ』が届いてもその期日までに支払わないと送電は停止される。

ガスも電気とほぼ同じ流れで止められる。

電気・ガスは請求から2カ月で止まり、生死に関わるライフラインの水道は請求から4カ月で止まるのだ。

予想をしていなかったまさかのお金の話だったので、私は絶句してしまった。

「かづさん!お金貸してくれへん!?」

「えぇ~...」

正直言って、人にお金を貸せるほど余裕がある家計ではない。

「い、いくら?」

「3万円...」

あぁ...、微妙な金額3万円...。

これが5万や10万だと言われたら即答で断るのに、ちょっとなんとかしたらなんとかなる金額3万円...。

「今すぐ...?」

「早ければ早いほど!」

そりゃそうだろう、もうすでに電気が止まっていて近々ガスが止まるんだから。

谷さんの顔を見ていると、息子の3学年上の弘樹君の顔が浮かんできた。

弘樹君は下級生にも優しくて、笑顔を絶やさない親切な子だった。

そんな子が、電気の点かない部屋でもう数日過ごしていると思ったら切なくなってきた。

それも更にあと数日でガスまで止まると思ったら、可哀想で仕方が無くなってきた。

「じゃあ、明日の夕方にまた来てくれる?」

私は谷さんに3万円貸すことにした。

健康法や医療制度、介護制度、金融制度等を参考にされる場合は、必ず事前に公的機関による最新の情報をご確認ください。
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かづ

​ブログ「~こんな事を言っちゃあなんですが!~」の管理人で、Ameba公式トップブロガー。 基本専業主婦の50代。子育てが終り、夫と2ニャンと暮している結婚38年目です。 一人っ子の夫と結婚し、舅姑の理想の嫁でなかった私の結婚生活においての戦いを思い出しながら書いています。

※毎日が発見ネットの体験記は、すべて個人の体験に基づいているものです。

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