これは今から約10年程前、脱サラして居酒屋を始めた大将とその妻である女将に起こった出来事です。
現在の私は離婚して一人暮らし。近くに住む孫たちと楽しい日々を過ごしております。
【前回】夫の浮気で離婚することになったのに慰謝料ゼロ!? 売却した家のお金の分配は...
これは正式に離婚が決まった頃のお話です。
「あっ、そう言えば7月くらいには引っ越すかも知れない」
店が終わった後、私はテーブルのはす向かいに座っていた旦那にそう告げました。
旦那は軽い食事を終えてうつらうつらしているところでしたが、私の言葉にはっと目覚めた顔をして、あっさりと言いました。
「あぁそう?」・・・・と一言。
私はほんの少しだけ期待していたのです。
『えっ?そんなに早く? 店どうすんの〜人手足りてないよ? 頼むよ〜お前が居なきゃ駄目なんだ。困るよ〜落ち着くまでもうちょっと居てくれなきゃ〜(泣)』と言われることを。
・・・・どれもこれも全く言われる事はありませんでした(笑)。
やっぱり、私は必要のない女だったようです。
入店して来たお客様をお席に案内して...
接客して注文とってドリンク入れて...
厨房に入って私の担当料理を作って...
その間にも他のお客さんからの注文を受けて...
お帰りのお客さんのレジをして...
食べ終わった後のテーブルを片付けて...
洗浄機に軽く洗ったお皿やグラスを放り込んで...
洗浄が終わったら食器やグラスをそれぞれの場所に戻して...
私一人で何役こなしていると思っているんだろう。
旦那は料理の値段を覚えておらず、値段表を見ながらレジを打っているから伝票の付け間違えも日常茶飯事。
注文がいっぱいの時はレジを打つだけでもかなりの時間かかるけど、その間の調理とか、お客さんが入ってきた時の接客とか、私がいなくなっても大丈夫なの?
次女だって近々店を辞めて家を出て行くけど?
私が居なくなった後、いったいどうやってお店を回して行くのかしら?
少し前に入ったバイトの彼と頑張るの?
あっ...それとも彼女がもうすっかり女将気取りで私が出ていくのを待ってるとか?
自慢じゃないけど、一度に沢山の仕事をこなしてなるべくお客さんを待たさないように素早く動いている私の代わりが"誰かさん"に務まるとでも?
あぁ〜務まると思ってるから、私は不要なんだったね。
なあ〜んだ、それじゃあもっと早くに離婚して店も辞めていれば良かったわ...。
本当に・・・、本当にバカな私。
『あなたは必要のない女です』
旦那の心の声が聞こえたような気がしました。
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