これは今から約10年程前、脱サラして居酒屋を始めた大将とその妻である女将に起こった出来事です。
現在の私は離婚して一人暮らし。近くに住む孫たちと楽しい日々を過ごしております。
【前回】「晩御飯一緒にどう?」冷め切った関係の夫からの誘い。久々に2人の時間を過ごした結果...
時系列が色々と前後しますが、これは元旦那と離婚が正式に決まった頃のお話です。
その日、店が定休日だったので、次女に車を出してもらい、家にあった段ボール5、6箱分の漫画本を古本屋に売りに行きました。
私は旦那と付きあっていた頃から50歳半ば頃まで週刊少年漫画を買い続けていました。
多いときは週に2、3回週刊誌や単行本を買っていたくらい好きだった漫画ですが、ここ数年は買うのを止めていました。
漫画は私の趣味でしたから購入には旦那も文句は言いませんでした。
旦那の方がべらぼうに金を使っていましたから文句等は言わせませんけどね(笑)。
そして私が漫画雑誌を毎週買わなくなって2年ほど経過してから旦那が言いました。
「そういや最近漫画買ってなくない?」
「もう2年も前から買わなくなってるけど?」
そんなやり取りをしましたが、2年も気付かないとはさすが私に興味の無い旦那です(笑)。
そんなこんなで結構な数の本を売りました。
まだ引っ越し先が決まった訳ではないけれど今のうちに身軽にしておこうと思ったからです。
そこに至るまでに、離婚後に私が生活する術とか住む所とかのことで、子ども達と色々と揉めました。
家を売却したお金の殆どを慰謝料として払ってくれるものだと思っていた私は、旦那と別れた後に安いマンションでも購入しようと計画していました。
そしてそのマンションに次女と一緒に住むつもりでいたのが、次女が東京に行きたいということでお流れになりました。
最終的に長女家族の近くに住む事で話は収まりました。
後に解る事ですが、旦那は慰謝料など払うつもりは毛頭無かったようで渡されたお金は売却金のきっちり半分でした。
さて、その後古本屋の査定を待っている間に近くの喫茶店でお茶を飲みながら次女と語りあいました。
しかしながら次女とあまりにも話が噛み合わなくて沢山泣いてしまいました。
「結局お母さんはどうしたいの?」
何度も何度も次女に言われました。
「ねえ、私が悪かったのかな? 私がもっとお父さんの事を大事にしていたら浮気なんてせずに今も家族皆で仲良くしてたのかな? もしお父さんの浮気を知っても私が我慢していたらこんな事にはならなかったのかな? 私さえ、我慢すれば・・・・・」
溢れてくる涙をこらえながら次女に言いました。
「お父さんの事はもういい! 話の中に入れて来ないで! あの人自分の事しか考えてないから。私達のこともどうでもいいみたいだから。もう私はあの人見限ったから! だからお母さんは今後どうしたいか聞いてるの!」
少しきつい言い方でしたが、次女なりに私の事を心配しての言葉だということはわかっていました。
「ほら、こんなのどう?」
次女はネットで調べた単身者用のマンションが載ったスマホの画面を私の方に向けました。
涙をハンカチでぬぐいながらその画面を見た私は言いました。
「あら?いいわね」
「でしょ!」
というわけで翌週には長女の住居近くの賃貸マンションを探しに行くことになりました。
しかし、旦那の事で流した私の涙はトータルで一体何リットルになるのだろう。
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