<この体験記を書いた人>
ペンネーム:yobo
性別:女性
年齢:47
プロフィール:体力の限界と戦う2児の母です。
2015年春、私は保育園の保護者会に行きました。
会場は保育園の少し広めの教室。
まだ乳児クラスだったのもあり、全員の保護者が集まり、熱心に先生方の話を聞いていました。
その後、保護者1人1人の自己紹介を経て、保護者から先生方への質問タイムがありました。
質問の内容は、大半が子育てに関することです。
その中で、1人のママさんが「子どもが歯磨きを嫌がって困っています。どう対応したらいいでしょうか?」と質問をしました。
乳幼児を育てる親にとって歯磨きは共通の悩みのようで、「うちもー!」という声が次々とあがっていました。
保育のプロからどんなアドバイスがあるのか、みんな前のめりで話を聞こうとしていたとき、園に所属している看護師さんが話を始めました。
「歯磨きは毎日したほうがいい、そのための工夫としては...」と話し始めたところで、園長先生がいきなり話に割り込んできました。
園長先生はこの年に就任した50代後半の女性です。
まともにお話を聞くのは初めてでしたが、他の先生方とは違う世界にいるようなオーラはありました。
「私も3人の子どもを育てましたが、全員歯磨きはさせたことないですよ。虫歯にもなったことがありません。ですから、歯磨きをしなくても大丈夫ですよ!」
テンション高めに声高らかに言い放つ園長先生。
この発言には、ママたちもさすがに引いていました。
印象的だったのは、園長先生が話を始めたタイミングで、看護師さんが逃げるように教室を出ていってしまったことです。
「歯磨きをしましょう」と言わなければならない立場なのに、「歯磨きはしなくていい」という趣旨の話に立ち会ってしまっては都合が悪かったのでしょう。
あまりの判断と行動の速さに驚きましたが、私はあのときに看護師さんが退室したのは正解だったと思います。
立場上、園長先生の話を止めることのできる人は、その場には誰もいなかったのですから...。
看護師さんが退出した後、まだ園長先生が話している途中にも、保育士さんたちが次々と教室を後にしました。
そして、教室に残ったのは園長先生と保護者のみ。
さすがに保護者は全員、最後まで園長先生の話を聞いていましたが、園長先生の話を聞いて「歯磨きしなくてもいいんだ、よかった!」と思った保護者は1人もいなかったでしょう。
園長先生のお子さんの場合は『たまたま』そうだったのかもしれないけれど、看護師さんや保育士さんたちの行動を見て、この話は鵜呑みにしてはいけない話なのだと誰もが感じたはずです。
結局「歯磨きを嫌がる子への対応法」という肝心の質問の答えを誰も聞くことのできないまま、保護者会は解散となりました...。
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