アメブロで「~こんな事を言っちゃあなんですが!~」を運営しているかづと申します。
皆さん「ママ友」はいらっしゃいますか? 私の長きにわたる人生の中の、色んなママたちのお話をしようと思います。
※登場人物はすべて仮名です
【前回】介護ヘルパーの仕事を始めたママ友「料理をわざと多く作って持ち帰ってる」...って違反では?
ヘルパーになった小山さんは、たびたび訪問先の話をママ友たちに聞かせていた。
聞いているママ友たちは、ヘルパーが訪問先で得た情報を利用者本人の許可なく他者に喋ることが禁止されていることを知りつつも、あまりにも小山さんが楽しそうに嬉しそうに喋るので、毎回待ってましたとばかりに話を聞いていた。
それでも最初のころのように聞くのではなく、徐々にみんな飽きてきたのか「はいはい、またその話ね」という空気を醸し出すようになっていた。
ある日も井戸端会議の場にいそいそとやってきた小山さんがまたもや訪問先の話をし掛けたが、その瞬間「ねぇ、それって喋っていい話なん??」とママ友の一人が発した。
小山さんは鳩が豆鉄砲を食らったように目を丸くしてキョトンとしたが、ママの数人から「喋ったらあかんのちゃうん?」や「聞かんかったことにするから、もう喋るのやめとき」と次々言われ、途端にムッとした顔になって帰っていった。
小山さん自身としては、資格を取った上に食費まで浮かすことができる素晴らしい仕事に就いていることを自慢したかったんだろうが、そもそも井戸端会議の場で自慢話なんて誰も聞きたくない。
それも最初は物珍しさが先に立って前のめりになるように聞いていたものの、聞けば聞くほど訪問先の利用者を金づるのように見ている胸くそ悪い話ばかりなので、私は小山さんが近寄ってきたら離れるようにしていた。
ところが、この「小山さんが来ると離れる」という私の行為が、後々小山さんに睨まれることになるのだ。
数日後のこと、子どもが通うスポーツクラブでバーベキューがあった。
私も子どもも初めての参加だった。
その日は午後からの練習後に保護者の車に分乗し、近くのホテルのバーベキュー場でパーティーだった。
子どもたちの送迎班とバーベキュー場のセッティング班と分かれ、私はセッティング班だったので現地に先に入った。
準備が整ったところで、送迎班が子どもたちやコーチたちと一緒に会場に到着した。
小山さんは送迎班だった。
このバーべキュー場は、テーブル席と焼き場が少し離れていた。
子どもたちやコーチたちにはテーブル席に座っていてもらい、私たち保護者が焼き場で肉や野菜を焼いてはテーブル席に運んだ。
この日は普段の感謝も込めて、コーチたちにはチームの積立金からビールを買い、私たち保護者はいつ何時でも車を出して対処できるようにと飲酒は控えようと申し合わせていた。
ある程度子どもたちに先に食べさせると、子どもたちはバーベキュー場の隣のグラウンドや公園で走り回ったり虫取りなどで遊んだ。
コーチを含めてパパたちはスポーツ談議に花を咲かせ、お酒を酌み交わしてワイワイと楽しそうに話していた。
女連中と言っては何だが、私たちママたちは焼き場の周りに椅子を持ち込んでバーベキューを楽しみ、徐々に片づけをしながらも高学年ママたちの色んな話を聞かせてもらって和気あいあいと過ごしていた。
そんな時だった。
高学年ママの一人が「小山さんってどこ!?」とハッとした顔つきで言った。
そう言われれば小山さんがいない。
小山さんとは徐々に距離を取りつつあった私は、小山さんがどこにいるかなんて気にも留めていなかった。
恐らく悪い予感でもしたのだろう、高学年ママがコーチたちのテーブルに走り出し、それに続けとばかりに他のママたちも急いでついていった。
そこで目にしたのは、コーチたちの真ん中に座って一緒にビールを飲んでいる小山さんだった。
「あははは!この人むっつりスケベやねん!よっぽど私の持ちもんがええんですわ!」
ただ単に一緒に飲んでいるだけだったらまだしも、なんと小山さんはご主人がその場のコーチたちの中にいるというのに、下ネタ全開だった。
絶句とはこの事かと思う状況だった。
コーチたちは酒が入っているせいか、小山さんが口に出す下ネタに突っ込みを入れたりでさながら夜のお店状態だったが、あくまでもそれは一部のコーチだけで多くのコーチたちは迷惑そうな顔だった。
私たちに気が付いたコーチたちの中の一人がこちらを向いてあごをクイッと動かし、「こいつをどうにかしてくれ」というジェスチャーをした。
それは高学年ママのご主人だったようで、高学年ママは小山さんに走り寄って「ちょっとこっち来てくれる??」と引っ張り出してきた。
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