「通帳渡さんのやったら...」金目当てで介護をするママ友。思惑通りにいかなかった結果は/かづ

アメブロで「~こんな事を言っちゃあなんですが!~」を運営しているかづと申します。

皆さん「ママ友」はいらっしゃいますか? 私の長きにわたる人生の中の、色んなママたちのお話をしようと思います。

※登場人物はすべて仮名です

【前回】義母の「通帳」狙いで介護を引き受けたママ友。「浅はかな計画」がうまくいくはずもなく...

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小山さんはお義母さんを自宅に引き取るのと同時に、お義兄さんからお義母さんの通帳も一緒に貰えると思っていた。

ところが、施設には兄弟姉妹全員で迎えに行き家まで送り届けてくれたものの、家に来たのはお義母さんだけで、お義兄さんからは通帳の「つ」の字もなかったらしい。

けれども当然のことながら、介護にはお金がかかる。

小山さんはご主人からお義兄さんにお金の話をしてもらった。

すると「毎月食費も含めて50,000円を渡す。必要なものがあれば言ってくれたら出す」 とお義兄さんに言われてご主人は帰ってきたと言う。

おそらく年寄りだからそんなに食べないと思っての金額なのだろう。

けれども、同居して介護をするのに1ヵ月50,000円でいいのだろうか。

私も思わず声が出た。

「それはあんまりやわ!食費と生活費だけの話では終わらんもん!」

「そうやろ! 50,000円じゃ少ないよな!」

小山さんは怒り心頭だ。

「そもそも、その50,000円の設定はなんで?」

どのタイプの施設に入っていたかは知らないが、施設だったら利用料は50,000円では済まない。

「今までお義母さんに掛かったお金は、全額お義兄さんが払ってたんやって。そやから今後はお義母さんの年金から支払える額を渡すって話らしいわ」

なるほど、今まで施設に入れていたのはお義兄さんが身元保証人だったので、年金だけでは足りない分は全額払っていたが、今後は弟が面倒をみるのだからということらしい。

「お義兄さんが言うには、『お義母さんの葬式代も貯めなあかんから通帳は渡せん』やねんて!」

小山さんにしてみれば、あてが外れたと言うところか。

と言うよりも、今まで親にかかるお金を長男1人に払わせていたと言うのもすごい。

昔の考えで言えば、親の面倒を見るのは長男で、親の財産も長男一人が継ぎ、嫁に出た姉や妹は何も貰わない代わりに面倒も見ないのだろう。

でも口は出すのは定番か?

要するに、今まで足りない分は兄ちゃんが出してきたんだから、月に50,000円渡すから足りない分は弟が出せと言う意味か?

「その50,000円も、何に使ったか書いとけって言うねん!」

『必要な物は言ってくれたら』とは言うものの、50,000円を使った内訳を説明し、『〜だから足りません』とお義兄さんにお願いしなきゃならんのか... そりゃ大変やなぁ... と思ったが、『家族の面倒見るのにお金貰うのは!』と言ったのはあなたですが?

お忘れですか?

小山さんからの電話は週に何度もあり、次第に子どもたちを含め家庭内がギスギスして来たと話した。

家族で出掛けても、『お婆ちゃんのご飯があるから』と晩ご飯を外で済ませて帰るということができない。

朝から夕方まで、遠出して遊びに行くこともできない。

子どもが二人もいれば、ストレスも溜まるだろう。

入れ替わり立ち代わりお昼時にきていた義姉さん達も、食事どころかお茶すら出さなくなったら来なくなったらしい。

小山さんからの電話を受けながら、理想と現実は違うのよと心の中で思った。

それでも小山さんが私以外に電話をしていないのを知ったので、愚痴ぐらいは聞いてあげようと思った。

子ども同士が同じクラスだから余計に思うのかも知れないが、ストレスの吐口が無いと子どもがかわいそうだと思ったからだ。

ところがその数週間後、小山さんから明るい声で電話がかかってきた。

「お義母さん出て行った!」

えっ!?出て行った??

「通帳渡さんのやったら、お義兄さんのところにお義母さん連れて行きます!って言うたってん!」

えー! とは驚いたが、小山さんならそこまでやるだろうとも思った。

結局、連れて来られても困るお義兄さんが入所していた施設に掛け合って、再びお世話になったそうだ。

小山さんがお義母さんを引き取ってから、半年も経っていなかった。

それからひと月ほどが経った頃、小山さんが介護ヘルパーの資格を取りに行っていると噂で聞いた。

健康法や医療制度、介護制度、金融制度等を参考にされる場合は、必ず事前に公的機関による最新の情報をご確認ください。
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かづ

​ブログ「~こんな事を言っちゃあなんですが!~」の管理人で、Ameba公式トップブロガー。 基本専業主婦の50代。子育てが終り、夫と2ニャンと暮している結婚38年目です。 一人っ子の夫と結婚し、舅姑の理想の嫁でなかった私の結婚生活においての戦いを思い出しながら書いています。

※毎日が発見ネットの体験記は、すべて個人の体験に基づいているものです。

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