共働きの場合、義父や義母に子育てをサポートしてもらっている家庭は多いと思います。でも、目を離している隙にとんでもないことを子どもに吹き込んでいるとしたら...。今回は相談もなく養子縁組の話を進めていた義母...という実体験エピソードを紹介します。
<この体験記を書いた人>
ペンネーム:ウジさん
性別:男性
年齢:61
プロフィール:地方都市で再任用の公務員をしている61歳の男性です。亡くなった義母にはとても良くしてもらいました。が...!
2020年3月、コロナ禍のはしりの頃に82歳で亡くなった義母はとてもいい方でした。
うちは共働き家庭だったゆえ、現在28歳の長女、26歳の長男の2人とも甘えっぱなしで、小学校までは義母が育てていたようなものでした。
ちなみに、息子は今でも私のことを「パパさん」と呼びますが、これは義母の言い方が染み付いたものです。
文句なしの義母だったわけですが、1つだけ許しがたい暴挙がありました。
長男が中1のとき、13年ほど前のことです。
「俺さあ、やっぱばあちゃんとこに行かないとダメ?」
息子の口から突然出てきた言葉は、一瞬なんのことかさっぱりわかりませんでした。
「は? いったい何の話だ?」
「ばあちゃん(義母のこと)に、はるたか(息子の名前)にはうちの田んぼを継いでもらわなきゃなんねえから、うちの子になればいいぞ、って言われて」
「なんだ、そりゃあ!」
当時の義実家は、義弟(当時36歳)が高校の講師の仕事をしながら兼業で義父(当時72歳)の田んぼを手伝っていました。
しかし、義弟は田んぼを継ぐ気はなく、自分の代になったら田畑は手放すと宣言。
義母としては自分の子どもの代で家業を終わらせてはならないと、追い詰められていたようです。
そこで前から目をつけていたうちの長男に、白羽の矢を立てたというわけです。
「そんなこと、急に言われてもお前も困るだろ」
「いやあ、小学校の頃からそんなこと言われてたし、田んぼの仕事も嫌いじゃないし、まあ、俺、勉強苦手だし、それもいいかなあ、なんて」
息子は満更でもない様子で、結構その気になっていたようです。
「いや、まあ、田んぼの仕事がどうとか言う気はないけど、だからって養子になるって話はないだろ?」
「うん、でもさ、そうするなら早いほうがいいからって。手続きも進めたいって言うからさ」
「は? 手続き?」
「なんかさ、ばあちゃんとこに来たお客に話を聞かされてさ、何だっけ、Aさんって人」
息子が会った人について、妻(当時45歳)に確かめてみました。
「お母さんの同級生で、確か行政書士だったと思う...」
「行政書士? いきなり養子縁組の手続きってこと⁉」
妻と顔を見合わせました。
そんな話は聞いてない、と寝耳に水。
いやいや、熱湯を浴びせられた気分で、慌てて義実家に真意を聞きに行きました。
「だって、本人がいいって言ってんだからさあ」
平然と言い放つ義母に、頭に血が上りました。
「私たちになんの知らせもなく、手続きまで進めようとするのはあんまりです!」
「いや、どう進めるのかわかってからのほうが納得してもらえっと思ったからさ...」
「納得ってどういう意味? 有無は言わさない気だったってこと?」
妻と一緒に、義母と最初で最後の大喧嘩をしました。
「いや、別に俺、ぜひ養子になりたいって思ってるわけじゃ...」
いい加減な返答をしていた息子も、事の重大さに気づいたようで、きちんと決意を固めているわけじゃないと義母に伝えました。
それを聞いた義母も「まあ、もう少し大きくなってから」と逃げ口上で煙に巻き、この件は口にすることもなくなりました。
普段目立たず、事なかれに過ごすイメージの方だっただけに、いきなりとんでもないことをするものだと驚かされました。
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