困っている人に手を差し伸べたいと思う方がいる一方で、自助でどうにかするべきと考える方も世の中にはいるようです。困っているのが家族や友人なら手を貸すのは当然と思いますが、それが微妙な関係の人ならどうするのが正しいのでしょうか。今回は隣町の知人が火事に見舞われて...という実体験エピソードを紹介します。
<この体験記を書いた人>
ペンネーム:gaspal
性別:女性
年齢:42
プロフィール:私(42歳)、夫(53歳)、小学生の息子の3人暮らし。共働き家庭。時短料理、節約料理にハマり中。
2022年の12月、近所で火事がありました。
火事の発生場所は隣町でしたが、買い物などで私も頻繁に通る地域ですし、全焼したのは息子(小学5年生)と保育園が同じだった子の家だったので、気が気ではありませんでした。
他にも、延焼で住めなくなる家が数軒も出るほどの大火事でした。
その後、火事が原因で住めなくなった家には、その町内会から「お見舞い金」が出たと聞きました。
我たちの町内会でもこんな話が出たそうです。
「火事があった町内会とは一緒にイベントをやって親しくしているし、希望者のみで構わないので、火事に遭われた方へ募金や使えそうなものを寄付したらどうか」
とてもいい意見でしたし、賛成した人も多かったようです。
それを受けて、町内会の回覧板で「寄付を募ります。希望者の方のみで、強制ではありません。無理ない範囲で、お金でなくても使用できそうな服、お皿、日用品、家具など、迷う物はご相談ください」と回ってきました。
今回の火事は決して他人事ではないと感じていました。
「帰宅したら家がなかった。何もかも全て燃えてしまった。お互いの両親も既に他界していて頼るところがない」
息子と保育園が同じだった子のお母さんがそう言って泣き崩れたのを見ていて、本当に痛ましく思っていました。
そのため、息子が使わなくなったきれいめの服やカイロ、マスクなどの生活用品と、僅かながら募金もしました。
ところが後日、町内会長さんから聞いたのですが、同じ町内会のAさん(80代後半、男性)から「うちは火事と関係ない。町内会が寄付を集めるのがおかしい!」と抗議があったそうです。
確かに「関係ない」と言われればそうですが、その後も何度も「町内会として寄付を募るのを撤回しろ!」と苦情を言ってくると...。
Aさんの気持ちは分からなくはないのですが、あくまでも「希望者のみ」です。
「寄付や募金が嫌なら、強制ではないからしなければいいだけなのに」と思いました。
それと年齢から推測ですが、Aさんが子どもだった頃は戦後ですから、食べ物などにもご苦労されたのではないかな、と思われます。
しかし、「困ったときは自分でどうにかするものだ!」と言い切るAさんを、無慈悲で冷たい人と感じてしまいました。
我が家の近くはお年寄りが多く、3世代や4世代家族も珍しくありません。
その一方で、古い家を壊して高層のマンションが次々と建ち、駅からの利便もいいせいか単身者や若い方も最近では増えてきました。
それによって住民が二分化されていると感じています。
若い方の中には「町内会は面倒だから入りません」という方も割といます。
年齢関係なく「助け合い」という言葉が響かない人もいるんだなと感じた出来事でした。
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