なかなか物事を覚えてくれなかったり、言ったことが伝わらなかったり。そんなとき、ついカッとなってしまうことがあるかと思います。でも、それが病気の影響だったとしたら...。今回は義母の脳を検査してみたら...という実体験エピソードを紹介します。
<この体験記を書いた人>
ペンネーム:うさぎ
性別:女性
年齢:51
プロフィール:5カ月の間に結婚式が2回も! おめでたいことだからいいのですがキツイなあ...。
2023年1月下旬に、義母(74歳)の脳神経外科の診察がありました。
いつもは義母が介護タクシーで行っているのですが、今回は脳外科の先生(40代女性)から、先日撮ったMRIの診断結果を家族に話したい、と言われたため、私も診察に付き添いました。
義母は30年ほど前、交通事故に遭っています。
救急車で運ばれた病院の当直医が脳外科の先生(当時40代)だったのは幸運でした。
脳を激しく損傷していたため手術をする必要がありましたが、無事に成功しました。
そのまま同じ脳外科の先生に経過を診てもらっていたのですが、その先生が病院を辞めることになり、2、3年前から女性の先生に変わりました。
担当の先生が変わってから初めてのMRIでした。
義母の脳のMRI画像を見ながら先生が説明していくのですが、「アルツハイマー型認知症」とか「レビー小体型認知症」とかの病名が出てきました。
義母の脳は、30年ほど前の交通事故で挫傷したのが原因で、所々に委縮が見られました。
それによる診断は「高次脳機能障害」でした。
先生の説明によると「簡単なことはできる」「マルチタスクはできない」「物事をすぐに忘れる(記憶障害)」といったことが起こると教えてもらいました。
それを聞いたときに、それまでの義母の言動はこれが原因だったのかと、不謹慎ですが納得してしまったのです。
「お米を研いだあと、味噌汁を作る」という家事では当たり前の行動が、義母はできませんでした。
「ネギを切っておいて」とお願いすると、切ったネギはまな板に置き去りになっていました。
切ったネギを器に入れて置こうという考えにならないのです。
「ネギを切って器に入れてね」まで伝える必要があります。
夕飯のときも「ご飯もみんなの分がないから、お米4合炊いておいてね」と伝えると、義母は「私の分のご飯はある」と言います。
最初は自分勝手な人なのかなと思っていました。
でも、先生の話を聞いて「あ...そういうことなのね」と、義母のいままでの行動や言動を思い出して合点がいきました。
何回言っても分かってくれなかったり、すぐ忘れてしまったりすると、私もついイライラして大きな声を出してしまっていましたが、意味のない行為だったと分かりました。
いつも義母は「うさぎちゃん(私のこと)、何怒っているの?」という感じでした。
それも仕方がなかったのですね...。
大きな声で怒ってもお互いに良いことはひとつもありません。
これからは無駄に大きな声を出さずに、淡々と話すようにしようと思います。
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