義母の「通帳」狙いで介護を引き受けたママ友。「浅はかな計画」がうまくいくはずもなく.../かづ

アメブロで「~こんな事を言っちゃあなんですが!~」を運営しているかづと申します。

皆さん「ママ友」はいらっしゃいますか? 私の長きにわたる人生の中の、色んなママたちのお話をしようと思います。

※登場人物はすべて仮名です

【前回】「義両親の面倒を見るのは嫁の仕事やろ!」介護経験もないのに上から目線のママ友にイラッ

義母の「通帳」狙いで介護を引き受けたママ友。「浅はかな計画」がうまくいくはずもなく.../かづ pixta_96864844_S.jpg

「うち旦那のお母さん、引き取ることになってん!」

私を含めママ友たち全員が驚く中、小山さんが嬉々として話しだした。

「旦那の兄弟がなぁ、お母さんを施設にこのまま入れとくのはかわいそうやって言い出してな。誰かが家に引き取るって話になってんよ。でも、長男のお兄さんが家の関係上引き取られへんて言うことになって、お姉さんたちもあかんと言うことになって、それやったら家で引き取るわって言うてん」

小山さんのご主人のご兄弟は1番上のお兄さんに2人のお姉さん、そして末っ子のご主人だった。

誰も引き取れる状態でもないのに「かわいそう」と言うだけで、せっかく施設に入っているのに、引き取る話をするなんて無責任な話だ。

「それでご主人が勝手に引き取るって話をしてきたん?」

ママ友の1人が聞いた。

世間では嫁に何の確認もなく、勝手に旦那が同居の話をしてくると言うのはよく聞く話だった。

「いやいや、その話聞いて私がうちで引き取ったらいいやんて言うてん!」

えーーー! またもや一同が声を出して驚いた。

私もそうだが、皆の頭の中には(あの小山さんが?)と思ったに違いない。

けれども、以前小山さんは「家族の面倒を見るのに!」と言っていたので、意外にも小山さんは慈愛の精神があるのかもしれないと思った。

もしかしたら、ご主人のご兄弟や義両親とは仲がいいのかもしれないとも思った。

ママ友たちが口々に聞く。

「でも子どもさん達小さいのに、引き取って大丈夫なん?」

「介護の経験なんてないんやろ?」

それでも小山さんは笑顔で答える。

「大丈夫大丈夫!半分寝たきりやけど、完全に寝たきりって言うわけじゃないし。それにお兄さんお姉さん、兄弟多いし♪」

まぁ、本人がそこまで言うのなら...。

その数日後、小山さん宅に施設から出てきたお義母さんがやってきた。

井戸端会議の話題は、小山さんの話題でもちきりになった。

あれだけ井戸端会議に参加していた小山さんだったが、やはり忙しくなったのか、外ではあまり見かけることがなくなったからだ。

ところが、実は私の所には何度も電話があり、小山さんの愚痴を聞かされていたのだ。

「お義兄さんもお義姉さんも、うちに来ても何にもせぇへんと、お茶飲んで帰るだけやねん!」

「昼ご飯用意するからお義母さんに食べさせてくださいってお願いしても、『そんなん、うちできへんから!』って言うて帰ってしまうねんで!」

「私が子どもの事やら、家の事やらで用事してても、何一つお義母さんのことで手伝ってくれへんねん!」

そんな事は、同居や介護あるあるの話だ。

小山さんにしてみれば、引き取って一緒には住むものの、兄弟姉妹が入れ代わり立ち代わり介護を手伝ってくれるはずだと思っていたらしい。

それも1番末っ子の弟で、まだ子どもが小さいんだから、皆が手伝いに来てくれると思っていたそうだ。

『〜するはずだ』なんて思っているだけではなく、同居する前にしっかりと皆で話し合いをするべきなのだ。

私は小山さんに介護ヘルパーさんの利用などをアドバイスした。

介護は思った以上に大変なので、1人で抱えるべきではない。

兄弟姉妹が多いと手伝ってくれる人数も多いと思われがちだが、口だけしか出さないと言う話はよく聞く。

小山さんはお義母さんを引き取ってから、あんなこともこんなこともと毎日のように愚痴の電話をよこしてきたが、介護の大変さだけでなく、一番腹が立つことがあると何度も聞かされた。

「お義兄さんが通帳渡してくれへんねん!」

あぁ、やっぱりそこかぁ...

「普通こっちが引き取ったんやから、お義母さんの通帳もこっちに渡してくれるもん違う!?」

介護の大変さ以上に、小山さんとしての一番はそこだったのだ。

健康法や医療制度、介護制度、金融制度等を参考にされる場合は、必ず事前に公的機関による最新の情報をご確認ください。
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かづ

​ブログ「~こんな事を言っちゃあなんですが!~」の管理人で、Ameba公式トップブロガー。 基本専業主婦の50代。子育てが終り、夫と2ニャンと暮している結婚38年目です。 一人っ子の夫と結婚し、舅姑の理想の嫁でなかった私の結婚生活においての戦いを思い出しながら書いています。

※毎日が発見ネットの体験記は、すべて個人の体験に基づいているものです。

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