<この体験記を書いた人>
ペンネーム:やまと
性別:女性
年齢:42
プロフィール:10歳年上の夫と2人暮らしです。
コロナ禍で近所を散歩することが習慣化した2022年春のことです。
私の家からは少し離れた散歩ルートで、いつも家の前の駐車場で鳥に餌をあげているおじいさん(70代くらい)がいました。
鳥が大好きなんだな〜と、その家の前を通るときはいつも微笑ましく眺めていました。
ところがある日、その家の近くを通りかかると駐車場のほうから鳥の大群がいっせいに羽ばたきました。
私は驚いて、反射的に「うわあ、びっくりした」と声を出してしまいました。
すると、近くを歩いていた女性(50代くらい)に「びっくりしちゃうわよね、あの家、いつもこうなのよ...」と話しかけられました。
いつもこうってどういうこと? 私は気になって聞いてみました。
すると、女性はおじいさんの意外な素顔を話してくれたのです。
「あのおじいさん毎日鳥に餌をあげてるんだけど、鳥がたくさん集まった段階でいきなりドアをバタンと閉めたり、大声を出したりして驚かせて、鳥が一斉に逃げていくのを見て喜んでいるのよ」
え...? 鳥をかわいがっているのではなく驚かせて楽しんでいる⁉
女性は続けます。
「一時期は空気の入った紙袋を叩いて爆発音みたいな音を出して、一斉に飛び去るのを見て大笑いしてて...さすがに近所の人が注意したみたい。最近は爆発音はしないけど、やっぱり怖いわよね」
「それって動物虐待にならないんですか? 鳥がかわいそうですよね」
「私たちも役所や警察に相談してみたんだけど、石を投げたりして直接鳥を攻撃してるわけじゃないし、あくまでおじいさんの私有地でやっていることだから口を出せないみたいで打つ手がないのよ」
「動物愛護法っていうのもあるけど、主に飼われているペットが対象だから野生の鳥はあてはまらないみたいなのよね」
近所の方々で手は尽くしたけれど、やめる気配がないとのことでした。
家族など誰がおじいさんを止める人はいなかったのかな? と思い、聞いてみたのですが...。
「おじいさんは一人暮らしだし、実は前に見かねて注意した人がいたんだけど、次の日からその人に対する嫌がらせが始まったり、近所の人を無視するようになったりで逆効果なの」
「私たちはできるだけ気にしないようにするしかなくて」
愛鳥家だと思っていたおじいさんが実はやっかいな人だったなんて...びっくりすると同時に、何とかして止められないかと思いました。
家に帰って調べてみると、自治体によっては動物の餌やりに関して条例を設けているところはありますが、あいにく私の住んでいるところではそのような条例はありませんでした。
すぐには何もできませんが、動物愛護に関心がある議員に投票して条例ができるのを待つしかないのかな、でも遠い道のりだな...と、もどかしい気持ちです。
人気記事:これは「ブラック介護」なの? 介護をして仕事をして...孫娘の休みはゼロ!《認知症介護実録(27)》
人気記事:《漫画》月2万円渡して「残ったら君のお小遣い♪」ってアホか! 波乱すぎる娘と彼氏の初同棲<前編>
人気記事:《漫画》給食室で「触るな」と言われた謎の箱...栄養士が隠していたあり得ない行為とは!?<前編>
- ※
- 健康法や医療制度、介護制度、金融制度等を参考にされる場合は、必ず事前に公的機関による最新の情報をご確認ください。
- ※
- 記事に使用している画像はイメージです。