アメブロで「~こんな事を言っちゃあなんですが!~」を運営しているかづと申します。
皆さん「ママ友」はいらっしゃいますか? 私の長きにわたる人生の中の、色んなママたちのお話をしようと思います。
※登場人物はすべて仮名です
【前回】「私の取り分やろ?」ママ友4人でバイトを始めようとした結果...自己中ママの登場で波乱の予感
親同士の仲と子ども同士の仲は別物のはずだが、親の中には親同士の関係を子どもに話し、「○○ちゃんと遊んだらダメ!」と言う人が存在する。
小山さんはそういうタイプの人だった。
だからこそ、うちの子と小山さんの子どもが同じクラスで仲が良かったので、出来る限り波風立たないようにする必要があった。
「必要があった」と言うには理由があった。
当時住んでいたマンションのベランダからは通学路が見えていて、朝、登校して行く子どもたちを見ることが多かった。
ある日の朝、息子を送り出したので洗濯を干そうとベランダに出ると、小山さんの上の子とその友達らしき数人が道路沿いの植木の陰に隠れているのが見えた。
その少し先にはこれまた同級生と思しき男子生徒が、キョロキョロしながらウロウロしている。
もう一目で見て、待ち合わせの場所に誰もいなくて焦ってキョロキョロしている子を、隠れて陰から笑っているんだとわかった。
それでも「ごめん!ごめん!」と出て来て、笑い合いながら登校するものだと思ってそのまま見ていたら、なんとその集団は男子生徒をほったらかして違うルートで登校して行った。
残された男子生徒はそのままキョロキョロしながらその場を離れずずっと待ち続けている。
しばらく洗濯物を干しながら見ていたが、次々と登校して行く小学生たちを横目にしながら男子生徒は待ち続けていた。
もうそろそろ行かないと遅刻するぎりぎりの時間に、私はたまりかねてベランダから声をかけた。
「もう行かな遅刻するよ! 学校始まるで!」
それを聞いて男子生徒は慌てた様に走り出して行った。
そんなことがあった数カ月後、スポーツクラブの付き添いで小山さんに会った。
小山さんは怒りのオーラで満ちていた。
こんな時はマシンガンのようなトークが始まる。
触らぬ神に祟り無しだが怖いもの知らずはどこにでもいるもので、同じく付き添いで来ていたママの1人が小山さんに「どうしたん?」と声をかけた。
そこからの話の詳細を要約すると、数日前に学校から電話があり、小山さんの上のお子さんがいじめをしているので一度学校に来てくれないかと言われたらしい。
それで学校に行って担任からいろいろ話を聞かされたらしいが、ここから小山さんのいつもの「言うたった!」が始まる。
「先生はそのいじめられたって言う子の話だけ聞いてるんですか!? うちの子に聞いたらやってへんって言うてます! 証拠ってあるんですか!? その子の言い分だけ聞いていじめをやったって言うてるんですか!? いじめのレッテル貼られたうちの子の方が被害者やわ!」
と担任に「言うたった!」そうだ。
担任から「生徒が何人も見ています」と言われたらしいが、小山さんはそんなことにもひるまない。
「ビデオでもあるんですか!? そんな『見た子がいる』なんて、うちの子を陥れようとする手ぇやないですか! そんならうちの子が『○○君にいじめられた!』って言うて、『ぼくも見た!』って言う子が何人か出て来たら、いじめられたんを認めてくれるんですか!?」
もう小山さんの「言うたった!」を聞いていると、世界中の全員が敵になってもママだけは味方やから的な話に聞こえてくる。
我が子を信じるのが親だとはよく聞く話だが、いざと言う時は心を鬼にしてでも子どもを正さなければならないのも親だと思う。
結局この話は、「いじめだと思われるような紛らわしいことはしないようにしましょう」と担任からクラス全員に注意があっただけで、誰もお咎め無しだった。
お咎め無しだったからか、小山さんの中では迷惑をかけられた側と言う認識だった。
いじめが無くならない理由の一つは、いじめの加害者の親からして認めないからだと私は思う。
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