<この体験記を書いた人>
ペンネーム:キジトラ
性別:女性
年齢:46
プロフィール:アラサーでオーストラリアへ移住。夫と二人で旅行を楽しむのが趣味の主婦です。
私の義妹(夫の姉、50歳)は、美へのこだわりが強い、いわゆるナルシスト。
しかも痩せていればいるほど美しいと考える、危険な美的感覚の持ち主です。
現在の義妹は、肌に血管が浮き出るほどの激やせ状態。
しかし、本人は美魔女を自認し、自慢の美ボディを写真に残すのが大好きで、わざわざ写真館で撮ってもらっては部屋に飾っています。
しかし、そんな義姉にちょっとした事件がありました。
発端はなんと私。
2022年7月、義父(80歳)の傘寿を祝うため、義実家でお祝いの場を設けたときのことです。
私夫婦、義姉夫婦、義妹一家、そして近所に住む親類縁者6名ほどが集まりました。
宴会が始まり、義父にプレゼントを渡す場面に。
私夫婦と義妹一家は共同で旅行券を、他の方々はお花や花瓶などをプレゼントしていました。
最後に順番が回ってきた義姉。
手にしていたのは、フォトフレームと思える形状の包みです。
恐らくその場にいた全員が、家族の写真が入っているのだろうと思ったことでしょう。
受け取った義父が箱を開けると、中身はたしかにフォトフレームでした。
しかし直後、義父は硬直。
なんとそのフレームには、胸元が大きく開いたベルベットのイブニングドレスを身にまとい、モデルさながらにポーズをとる、義姉の写真が入っていたのです。
これには一同、目が点。
「かわいい娘の写真をずっと側に置いておいてね」
得意げに言う義姉に、義父は「お前はバカか」と、呆れてフレームを放り投げていました。
しかし、大勢の前で自慢の写真を披露できた義姉は満足げ。
フレームを拾い上げると、周囲のドン引きも気にせず、目立つ場所に写真を飾り始めました。
さらに「これ、プロに撮ってもらったのよ。どう?」と、コメントを求めたのです。
夫や義妹は完全に不快感を示していたのですが、親類縁者の方々は気を使い「光の加減が素敵」「ぼかし具合がいい感じ」「ドレスの色がキレイ」などと、被写体以外の部分にコメントをしていました。
ですが、義姉が聞きたいのは当然、そんなコメントではありません。
自身の美貌を褒めてもらいたくてたまらないのは、誰の目から見ても明らかです。
だからこそ、誰も口にしないという空気が流れていました。
不満げな義姉は、ついに矛先を私のほうへ。
「このドレス、似合いそうよね」と私に言います。
私には着れそうもない細身のドレスに触れて、褒め言葉を誘導したいのでしょう。
「こんな細身のドレス、無理ですよ~」と口から出掛かりましたが、何とか寸止め。
義姉を有頂天にさせたら、激やせ主義がさらに悪化し、健康を脅かしかねません。
欲しがる目線に戸惑いながら、返答に困る私。
そのときふと、ドレスの袖口から出る、二の腕に目がとまりました。
そして、ほぼ無意識のうちに「お義姉さん、血管太いですね」と口走っていました。
もはやそれが、褒め言葉なのか判断できないほど焦っていました。
するとその直後、みるみる顔が青ざめる義姉。
どうやら義姉的には、浮き出る血管についてだけは、触れてほしくなかったようです。
私は地雷を踏んだようでした。
しかもこの発言のせいで、みんなが義姉の血管に興味を持ってしまい「ホント。人の血管って意外と太いのね~」「ゾンビみたい」「こんなに浮き出て気持ち悪い」など、次々に遠慮ない言葉が飛び交う状況に。
義父も「もっと食べろ」と説教を始める始末。
紛れもなく、みんながモヤモヤを発散するきっかけを、私が作ったようでした。
恐る恐る義姉を見ると、両腕を抱えてプルプル。
『ひえっー!』
私は「みなさん、お料理を食べましょう」と、話題を切り替えるので精一杯でした。
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