<この体験記を書いた人>
ペンネーム:とらとら
性別:女性
年齢:54
プロフィール:アラフィフ兼業主婦。神経質ではないですが、周囲の人の目に敏感な方ではあります。
54歳になる兼業主婦です。
今年55歳になる夫の話です。
夫は昔から少しふっくらとした体型で、顔もそこまでイケメンというわけではありませんが、いつも穏やかにニコニコと笑っている感じです。
その見た目通りというか、性格もおっとりとしていて、少し天然なところもあります。
それがどこかかわいらしく、一緒にいて居心地が良いなと感じることが多かったため結婚しました。
ただ、少し鈍感すぎるところがあるのです。
特に、人の好意にどうして気が付かないのか? というほど鈍感です。
今から30年ほど前、私たちがまだ結婚したばかりの頃の話です。
帰宅の時間が近づいた頃、夫から電話がありました。
「後輩がどうしても相談したい大切な話があるそうなので、家に連れて帰ってもいいか?」
すでに帰宅していた私は「いいよ」と返事をして、その後輩の分の食事も作って待っていました。
そして、夫と女性が帰宅。
夫が連れてきた後輩のA子さんは、私を見て驚いた様子でした。
A子さんは当時25歳くらい。
動揺しているのは明らかでした。
「妻が食事を用意してくれているからどうぞ上がって」
夫が声をかけても「あの、えっと...」と困惑した表情を浮かべるばかり。
そして...。
「用事を思い出したので帰ります。急に来てすみません! お邪魔しました」
「えっ、相談は大丈夫なの?」
「大丈夫です。本当に急にすみませんでした」
A子さんはそそくさと帰っていったのです。
夫は首を傾げながら「おかしいなぁ」と、食事も作って待っていた私に謝ってくれました。
しかし、私は食事のことよりも私の顔を見るなり焦って帰ったA子さんの様子が気になりました。
どんな相談だったのか夫に聞くことに。
「人にはあまり聞かれたくない大事な話だから静かに話せる場所がいいって言われて、静かに話せるからって家に招いたんだけど」
そこで私はピンときて、同時に頭を抱えました。
おそらくA子さんは夫に好意を抱いていたのでしょう。
そして告白か何かをしようとして、家に招かれてウキウキしながら行ったら、そこには妻である私がいた...それで慌てて帰ったのではないかと思い至りました。
夫が結婚していることをA子さんが知っていたか定かではありませんが、好意を持っている人から笑顔で妻を紹介されたのはさぞショックだったでしょう。
私は少しだけA子さんが気の毒に思えました。
今まで夫が浮気しているような素振りは全くないのですが、そういったことがその後も何度かありました。
夫に『悪気はない』にしろ、ちょっとモヤっとしてしまいます。
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