「パート先の同僚だったM子は、とにかく人のうわさ話が大好物。口を開けば面白い話からえぐいものまで出るわ出るわ...とはいえ聞き流せる程度のものではあったんですが、その中の『ママ友の不倫話』だけはなんというか、妙にリアルでつい聞き入ってしまうのです。そのうち、なぜそんなに知っているのだろうと思うようになったのですが、やがてある事実が明らかになったのです!」
親や夫、子ども、友人に職場の同僚、ご近所さん...。アラフィフ女性を中心に、みなさんから寄せられた人間関係の「モヤモヤ」「スカッと」「泣ける」実体験エピソードを、過去の人気記事をもとにして漫画で再構成しました。この時、あなたならどうしますか?
そんなこんなで、Ⅿ子の退職理由はウヤムヤなまま、私も程なくして一身上の都合により退職しました。
それから約1年後。
私は長男が通う学校の行事で、Y美という保護者と知り合いました。
たまたま近くに座った彼女となんとなく意気投合。
聞けば、隣町学区に住んでいるとのこと。
雑談の流れで、Y美は自分の住んでいる地区の学校のうわさ話を語り始めました。
「コロナが流行りだした頃かなー。ウチの学区の中学校で、どこかの保護者がダブル不倫をやらかして、大騒ぎになったんだって!」
ふと、どこかで聞いたような話だなあ...私は瞬時にM子を思い出しました。
M子が面白おかしく話題にしてた、前述のママ友のことだろうか? と。
聞けば聞くほど、それっぽい内容でした。
しかし、この後に聞いた内容は...妙にゾワゾワする展開でした。
「でも、とうとうバレてお互いに家庭崩壊! 当然っちゃ、当然だわね! 誰と誰とか特定はされなかったけど、そんなのわかっちゃうじゃない? 不倫パパ、離婚したんだって!」
「不倫ママのほうは離婚を免れたらしいけど、実家に帰されて、3人いる子どもとも当分面会禁止なんだって! パートも旦那さんが強制的に辞めさせたらしいわよ! 食品加工の〇〇工場って聞いたことない? 長年勤めてたらしいけど」
〇〇工場? 私が以前パートに行ってた職場でした。
聞けば聞くほど、その不倫ママ、当時のM子の状況に酷似していました。
時期的にもぴったり...。
「不倫ママのダンナさん、この騒動のお陰であっという間に禿げたって聞いた! 気の毒~」
気の毒〜、と言いながら彼女はそんな様子を微塵も見せず、面白そうにしゃべり倒していました。
私は、M子の夫が工場へあいさつにやって来た日の、あの淋し気な頭頂部を思い出し、胸が詰まりました。
Y美も「他人のうわさ話」が大好物のようで、芸能レポーターになれそうです...。
この「不倫保護者」、ほぼほぼM子で確定だろうと思うとゾワっとしました。
当時、他人のうわさ話として、微に入り細に入り楽しそうに話していたM子。
当事者だとしたら、そりゃ詳しいでしょう。
人に言えない罪を背負っても、他人のうわさ話にしてしまえばOKなのでしょうか?
そんなM子の訳のわからないメンタルに、ゾワゾワが止まりませんでした。
漫画:とんちきくま/原案:「毎日が発見ネット」みなさんの体験記
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