<この体験記を書いた人>
ペンネーム:やまと
性別:女性
年齢:42
プロフィール:夫と二人暮らしです。
10歳年上の夫は、健康体でめったに風邪をひきません。
幸いなことに、コロナ禍がになっても元気に過ごしていて、最後に風邪をひいたのは5年くらい前です。
しかし、そのときの夫の心の弱りっぷりと言ったらそれはひどいものでした。
夫が「なんか熱っぽい、だるい」と言い出したので熱を測ってみると、37度台前半の微熱でした。
私は「ちょっと熱があるね、あったかくして寝てたら?」と伝えると、めったに熱を出さない夫は大慌て。
「どうしたんだろう? こんなに熱が上がるなんて、何か悪い病気になったんじゃないのか!」
そう言って、慌てて部屋に閉じこもって寝込んでしまいました。
数時間後に私が様子を見に行くと、まだグチグチ言っています。
「さっき風邪薬を飲んだのに、何だかまだ具合が悪い。もしかしてこれは重病なんじゃないか...」などと言い始めました。
いくら薬を飲んでも、そんなにすぐに効き目が出て元気になるわけがありません。
しかし、めったに薬を飲まない夫は、薬を飲めばあっという間に風邪が治ると思っていたようです。
「さっき飲んだばっかでしょ。もうちょっと様子見てみたら? 何か食べたいものはある? お粥でも作ろうか?」
「食欲も全然ないんだよ。昨日までは焼肉とかお寿司を食べたかったのに。それにお酒も飲みたくない。俺がお酒を飲みたくなくなる日が来るなんて、もう生きる力がないって感じだよ」
ありえないぐらい弱気になっていました。
私は普段から体調を崩しやすいほうなので、ちょっとした熱などには慣れているのですが、体の強い夫は急な発熱にびっくりしてしまったようです。
私がスポーツドリンクを置いて部屋を出て行こうとすると、夫が私の手を取り引き止めました。
「ありがとう。きみには世話になってばかりだね、思えば楽しい人生だった...」
は? と思うような大げさなことを言い出し、さらに...。
「こうやって具合が悪くなって、初めて健康のありがたさに気づいたよ。いつも仕事が嫌だとか言っていたけれども、元気で働けることがどれだけありがたいか、身にしみてわかった」
挙句の果てに私の手を握りしめ、ウルウルした目で言いました。
「僕が死んだら素敵な人と再婚するんだよ」
結局、次の朝には熱は下がり、2、3日ですっかり良くなりました。
あんなに弱気になっていた夫は、何事もなかったかのように元気な姿に戻りました。
コロナ禍が始まり2年以上が経ちますが、幸運なことに私たちは感染せずに過ごせています。
しかし、もし感染してしまったら夫は体よりも心がやられてしまうのではないかと思うと、絶対に感染できないな...と思ってしまいます。
人気記事:「嫁が働く間、子供の面倒見て欲しいんならな...」姑が実の息子に突き付けた「凄い条件」《かづ》
人気記事:《漫画》もしかして浮気...? 結婚26年、「仕事」と言い張り週3日しか帰らなくなった夫への不信感<前編>
人気記事:《漫画》なぜこんなことに? 美容師の夫の店で娘が親友に無料でトリートメントした結果<前編>
- ※
- 健康法や医療制度、介護制度、金融制度等を参考にされる場合は、必ず事前に公的機関による最新の情報をご確認ください。
- ※
- 記事に使用している画像はイメージです。