<この体験記を書いた人>
ペンネーム:さんた
性別:女性
年齢:46
プロフィール:子育て中の主婦です。
40年近く前、私がまだ小学生だった頃は土曜日も学校がありました。
土曜日の学校は午前のみ。
お腹を空かせて帰宅すると、お昼ご飯は決まっておじやで、私は土曜日のお昼にのんびり食べるおじやが大好きでした。
我が家の「おじや」は、朝ごはんの残りのお味噌汁にごはんと具を入れて煮立ったところに溶き卵を入れたもので、私や兄弟にとってはなじみのあるホッとする味です。
具はその日ごとにいろいろ異なりますが、必ず入れるのが納豆でした。
納豆を入れて、ぐつぐつ煮立ててから溶き卵を入れます。
毎週土曜日には必ず食べていたので、私はごく普通のありふれた食事だと思っていました。
18歳になって大学に進学するため、私は実家から遠く離れた町で一人暮らしを始めました。
一人暮らし中、節約もできて簡単に作ることができる「おじや」は私の手料理の定番メニューでした。
19歳のとき、初めての彼氏ができました。
しばらくして、彼氏が初めて私の部屋に泊まりに来た翌朝、私は腕によりをかけて、おじやを振る舞おうと思いました。
家庭料理らしいおじやを作ったら、彼氏が喜んでくれると思っていたのです。
彼氏が寝ている隙にキッチンに立ち、おじやを作り始めました。
ところが、納豆をお鍋に入れてすぐ、彼氏が「臭い!」と騒ぎ出したのです。
「無理無理!」と鍋に近づくこともできない様子。
それどころか窓を開けて換気までし始めます。
私は臭いと感じたことが一度もなかったので、冗談を言っているのだと思い、自慢のおじやをお椀によそって出しました。
すると「本当にごめん、無理!」と言って、急いで着替えて帰ってしまったのです。
私は何が悪かったのか全く分からず、急変した彼氏の態度に大ショック!
大学に行って友だちに事の顛末を話したところ、「納豆を加熱するのはあり得ない」と言われて心底驚きました。
我が家では毎週土曜日のおふくろの味だったのに! 今まで一度も臭いなんて感じたこともなかったのに!
なんとなく、私自身が否定されたような気がしてしまい、若かったこともあり、その彼氏とは別れてしまいました。
その後、「臭い」と言われたことが気になって、一人暮らしの部屋でもおじやを作ることができなくなってしまい、しばらく実家だけで食べていました。
現在、結婚してママになり、私の子どもたちもおじやを食べています。
夫はやっぱり「臭い」と言いますが、許容してくれています。
でも、子どもたちには、加熱した納豆は嫌われることもあることをきちんと伝えようと思います。
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