<この体験記を書いた人>
ペンネーム:ウジさん
性別:男性
年齢:60
プロフィール:地方都市で公務員をしている60歳の男性です。還暦を感じることはそう多くはないのですが...。
今年の春、2022年の4月頃でした。
「うーん、やっぱり、なんとなくぼやけてる気がする...」
新聞を見ていて気になり、何度もメガネを拭いてみましたが見え方は変わりません。
「少し度が進んでるのかな?」
懇意のメガネ店に出かけ、度を見てもらいました。
「視力検査の結果は変わらないし、メガネの度は合ってますよ」
お店の機械でメガネの清掃をしてもらい、ピカピカになりましたが、やはり見え方は今いちです。
「目は自覚なしに悪くなってることもありますからね。眼科に行ったほうがいいですよ」
お店の方にそう言われたので、少々面倒ながら眼科に行くことにしました。
「白内障とかさあ、知らないうちになってるとか言うし、心配ねえ...」
妻(58歳)に嫌な声がけをされながら出かけました。
診察前に視力検査をしましたが、やはり視力は変わっていませんでした。
瞳孔を開く目薬と麻酔のための目薬を点眼され、しばらくしてとても眩しく感じるようになったところでいよいよ診察室へ。
「うーん、なんとなく見え方が悪くなったってわけですね...60歳ねえ...」
先生は私よりちょっと年上ぐらいのベテラン風な方でした。
ひととおり目の周りを見ても特に異常はないということで、眼球の中を見る段階に入りました。
目にレンズ状のものをはめ込まれましたが、麻酔の目薬のおかげか、異物感はありません。
「はい、眩しいけど我慢してね」
そう言って、先生は目の中を覗き込みます。
眩しいライトを当てられながら、やれ右を見ろ、左を見ろとあれこれ目を動かします。
「...ふーん、ああ、なるほどねえ...見えにくいっていうのは、なんかもやがかかったような感じってことじゃない?」
覗き込みながら先生が問いかけます。
そう言われると、確かにそんな感じです。
「ええ、そうです、そうです。...あの、何か問題が?」
診てすぐ分かるほどの異常があるのかと不安を感じ、ドキドキしながら問いかけると衝撃の一言が。
「これはねえ、年齢からくるものでしょうがないんですよ。歳のせい、ね!」
歳のせい? どうしようもない? そんなことってある? と頭の中をぐるぐる「歳のせい」の言葉がめぐりました。
「飛蚊症っていうんですよ。目の水晶体の中に、加齢から老廃物などの汚れが浮いてね。視界をよぎるから、もやがかかったみたいに見えるの」
「...あの、しょうがないって...治らないんですか?」
「手術で治せないことはないんだけど、けっこう大変な手術ですよ。言ったとおり加齢によるものだから再発の可能性も多くてね。なんせ歳のせいだからね」
「歳のせい」のダメ押し攻撃をされました。
「世のお年寄りのほとんどが多かれ少なかれ症状があるんですよ。歳によるものだから、慣れれば気にならなくなるものですよ」
もともと目がいいほうではありませんし、多少ぼやけている気がするだけで見えないわけでもありません。
先生の勧めのとおり、様子を見ることにしました。
診察を終えて、改めて対面しながらお話を聞きました。
「年に一度くらい診察に来てくださいね。知らないうちに網膜が異常を起こしちゃうこともありますからね。なんせ歳のせいですから、歳にはかなわないんですよ」
最後に止めの一撃を受けて、ぼやける視界のまま眼科をあとにしました。
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