<この体験記を書いた人>
ペンネーム:ぴち
性別:男性
年齢:52
プロフィール:禁煙に2回成功した、元ヘビースモーカーの52歳です。
約20年前、私が30歳の頃に運営を任されていたお店では、タバコを販売していました。
店舗での販売だけでなく、店舗敷地内に1台、敷地外に1台、計2台のタバコの自動販売機を管理していました。
当時、タバコの販売はお酒と同様に責任者を設ける必要がありました。
未成年者の購入を抑制するなど、さまざまな理由から必要で、私のお店にも専属の責任者がいました。
タバコの販売責任者のAさんは、当時45歳の男性社員で、私が店舗の責任者になる前から販売責任者として業務に就いていました。
Aさんは仕事に対して一生懸命に取り組むとても真面目な方なのですが、ちょっとクセが強く、誰に何を言われても決して自分のやり方や考え方を変えない頑固な方でした。
Aさんは責任者として、タバコの仕入れや在庫管理、帳簿付け、自動販売機の補充業務など、タバコに関する業務を一括して担ってくれています。
社歴では私よりも先輩になるAさんです。
責任感を持って頑張ってくれているのだから、あまり口出しはしたくないのですが、どうしても気になって仕方がないことがありました。
それは、月末になると毎月のように売れ筋商品の欠品を起こすことです。
月末が近くなると、名の知れた銘柄の在庫がなくなり、さほど需要の高くない銘柄ばかりが残るため、不良在庫ばかりが溜まる悪循環に陥っていました。
お客様からはクレームをいただき、喫煙をする上司からは監督不行き届けと叱咤される私。
売れ筋商品の欠品など、一月でもあれば問題なのに、それが毎月となれば看過するわけにもいきません。
私はAさんを呼び出し、在庫管理についての現状、喫煙される方たちからのクレームの内容について話し合うことにしました。
私が現状の問題点をAさんに伝え、改善策を一緒に考えようと切り出した途端、Aさんが怒り出しました。
「欠品? そんなの仕方がないでしょ! だって俺、タバコ吸わないもん!」
「タバコ吸わないんだから、売れ筋なんて分かるもんか!」
その一点張りで話を聞こうともしませんでした。
結局Aさんとは話し合いにならず、何ら解決策を見出すこともできませんでした。
途方に暮れた私は前任の店舗責任者の方に、Aさんの言動を含めて相談することにしました。
すると、その方は「Aってね、難しい人なんだよね」と言い、私の方をポンと叩き、とても不思議な笑顔でその場を去っていきました。
Aさんの言動、前任者の笑顔、今後の対応などなど、いろいろなことが重なり、結局何一つ解決できず...。
モヤモヤしたものがタバコの不良在庫と共に残る日々でした。
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