<この体験記を書いた人>
ペンネーム:なんとも
性別:女性
年齢:54
プロフィール:私+夫+高3長男+高1長女の4人家族。子どもたちも高校生となりPTA活動もあとわずかです。
50代半ばの主婦です。
今から10年くらい前、長男が小学校低学年の頃にクラス役員を担当していました。
担当期間は1年でしたが、精神的にもキツくて本当に頑張ったと思います。
一番厄介だったのが「クラス連絡網」を使っての電話連絡でした。
今ならメールやLINE等を使って手軽に連絡が行き渡りますが、その当時は電話連絡網というアナログツールが主流でした。
クラス役員→出席番号最初の世帯~最後の世帯→クラス役員という流れが連絡を回す手順でした。
電話のつながらない世帯については飛ばしてその次の家庭へ連絡を回し、報告を受けた役員が時間を改めて連絡する決まりでしたが...。
これが一番のネックでした。
私が当時、一番苦手に思っていたK村家(当時夫婦共に30代後半)という共働きのご家庭。
連絡網には携帯電話番号が登録してありましたが、つながったのは数えるほど。
留守番設定もなかったので、K村家のポストに手紙を何度か投函したものでした。
そして、学年末の3月下旬。
担任の先生が他校へ転任することになりました。
そこで、クラスで花束と生徒各自で「先生へのお手紙」を贈ることになり、世帯数で頭割りした花束代を、離任式当日に私が徴収する旨を連絡網に申し送りました。
春休み期間でしたが、連絡は意外とスムーズに行き渡りました。
K村家以外は...。
離任式まで猶予がなかったので、私は焦りました。
ポストへ手紙はもちろんのこと、電話連絡も再三入れましたが、全くつながりません。
そこで、私は面識はほとんどありませんでしたが、K村家とまあまあ親しい他クラスの保護者に問い合わせたところ、なんと家族で沖縄旅行中とのこと。
離任式当日は空港からそのまま学校に直行する予定らしく、私は頭を抱えました。
徴収する花代は後日でも構いませんが、先生に渡す手紙はお子さん本人が当日までに用意しなければなりません。
強制ではないので、もちろん書かなくても問題はありませんが、当日自分だけが書いてない...となってしまうとお子さんはいたたまれない気持ちになるかもしれません。
そう考えると、お手紙の件だけでも伝えたいと私は頭を捻り、どうにか連絡をつける方法を考えました。
分かっているのは電話番号のみで、メールアドレスは不明。
なんども連絡を試みましたが、結局徒労に終わりました。
離任式当日。
式のギリギリに到着したK村家のお子さんは、おばあ様の運転する車で学校へ送ってもらったようです。
お子さんはちゃんと手紙を持参しており、花束用のお金も用意していました。
お子さんに話を聞くと「おばあちゃんが家のポストに手紙が入ってたよって言ってたから」と答えてくれました。
どうも、留守中のK村家宅の点検をしていたおばあ様が、気を利かせてくれたようです。
旅行先のホテルへ電話して、私の用件をそのまま伝えたそう。
ちなみに...ご夫婦は空港から直行で勤務先へ出勤されたとおばあ様から伺いました。
新学年が始まり、我が家はK村家とまた同じクラスになりました。
保護者ミーティングで顔を合わせても、あちらからは特に何もなし。
私が駆けずり回っていたことなど、知っていてもどうってことないのでしょう。
新クラス役員のあいさつスピーチに耳を傾けながら、新役員さん、頑張って!と私は心の中でこっそりとエールを送りました。
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