<この体験記を書いた人>
ペンネーム:ぴろ
性別:女性
年齢:57
プロフィール:そろそろ終活? なんて考える今日この頃です。
私が小学校4年生だった1975年頃の話です。
遠足におにぎりのお弁当を持っていきました。
友だちと「おにぎり交換しよう」と盛り上がり、受け取った友だちのおにぎりは、具がかつおぶしで、のりが巻かれているおにぎりでした。
私がおかかのおにぎりを食べたのは、そのときが初めて。
私が知っているおにぎりとはまったく違っていて、衝撃を受けるほど、とってもとっても美味しかったです。
おかかのおにぎりを食べるまで、私はおにぎりが嫌いでした。
母が作るおにぎりは、白米のまわりに桜でんぶがまぶされていて、具も桜でんぶ。
嫌いだった理由は、甘いものが苦手だったからです。
思い起こせば、実家のごはんは味付けがなんでも甘かった...。
甘めの味付けというより、しっかりと甘いのです。
納豆に砂糖、トマトに砂糖、キュウリの酢の物も甘いし、卵焼きも当然甘いのです。
実家の味がそうなので、それが普通だと思って育ちました。
だからトマトは嫌いでしたし、納豆も嫌い、甘すぎる味付けのものが全部嫌いでした。
太巻きにはでんぶが当然入っていました。
それは普通だと思うのですが、私はでんぶが心底嫌だったので、太巻きのでんぶを箸で排除して食べていました。
大人になってトマトに砂糖をかけずに食べたとき、納豆に砂糖を入れずに食べたとき、心底「えーこんなに美味しいものだったんだー」と思いました。
ちなみに、私が住んでいた北海道のある地域では、お赤飯に入れるのは甘納豆、アメリカンドックの衣には砂糖をまぶします。
コンビニのアメリカンドッグにからしとケチャップがついてきたのを見て、「砂糖がスタンダードじゃないのね」と思ったものです。
一部の北海道出身者の間では、あるあるの話かもしれません。
遠足から家に帰って母(当時35歳)にこんなおにぎりを食べてそれがすっごく美味しかったから、これからのおにぎりはそれにしてと訴えました。
母はあきれたように「そんなのがいいの?」と言いながら、次回からはおかかのおにぎりを作ってくれるようになりました。
うちの母は甘い味付けが好みで、子どもは甘いものが好きという思い込みがあったみたいです。
実際、妹はその甘ーいおにぎりが大好きでした。
母が亡くなってから不思議なもので、あの甘ーいおにぎりを食べてみたいと、ふと思いました。
実家を出てもう40年近くたちますが、初めて桜でんぶを買いました。
自分であの甘いおにぎりを作ってみようかな。
今となっては、それも懐かしい母の味です。
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