<この体験記を書いた人>
ペンネーム:みけ
性別:女性
年齢:53
プロフィール:両親と同じ敷地内に住んでいる53歳の自営業。
先月のこと、父にがんが見つかりました。
転移が見られて進行もしており、今後の方針を決める段階にあると説明を受けました。
そして、医師から治療の参考になるとのことで、新たに検査を勧められました。
2種類の検査がありましたが、その一つは別の病院で行う必要があるくらいの大がかりなものです。
「やる、やらないを決めるために時間が欲しいだろうけれど、混む検査だから」と言われ、とりあえず予約を入れてその日は帰宅しました。
ちょうど週末だったので、兄は休みでした。
兄は何かあるといろいろ調べる性格で、今回も休日の時間をたっぷり使って2種類の検査について調べていました。
土曜日の夕方、同じ敷地内にある兄宅に呼び出されました。
中に入ると父も一緒にいます。
私が腰を下ろすと早速、兄が用件を切り出しました。
大がかりなほうの検査をキャンセルするというのです。
その理由は「リスクが大きいから」で、兄は分厚い資料ができるほど検査について調べたようです。
でも、リスクがあっても検査をしたほうがいいという気持ちは変わりませんでした。
今後の事を決めるにしても、検査をして現状をきちんと把握したほうがいいと考えていたからです。
しかし、兄は上から目線で私の知識の少なさを指摘して、「お前は何も知らないで意見しているのと同じだろう?」とバカにした口調で聞く耳を持ちません。
相変わらずだと思いながらも、大切な話なので引くわけにはいきません。
言い合いになりましたが、兄の意見が通って、今回はキャンセルすることにしました。
次に病院に行った際、「検査をキャンセルする」と兄は医師に自分の意見を滔々と述べました。
しかし、医師はリスクについての確率やその上でのメリット・デメリットなど、根気よく兄に説明してくれました。
付け焼刃の知識ではなく、経験をもとにした医師の説明を聞いた兄は、考えを改めざるを得なかったようです。
「そうですね。検査はしたほうがいいんですね」
しぶしぶそう言ったときのガックリと肩の下がった姿ときたら...。
「だから言ったじゃん。そもそも、ちょっと調べたくらいで何でも分かったような気になられちゃ困るよ」
とはさすがに言いませんでしたが、心がすっきりしたおかげでニヤニヤが止まりませんでした。
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