<この体験記を書いた人>
ペンネーム:みけ
性別:女性
年齢:53
プロフィール:両親と同じ敷地内に住んでいる53歳の自営業。
今から6年前、姪が小学6年生のときのことです。
姪は小学4年生の時から地域のバレーボールチームに入っていました。
チームメイト全員が同じ小学校で、監督も友だちの父兄だったので、私は勝手に楽しめているだろうと考えていましたが、そうではなかったようです。
5年生の後半頃から練習のない日の放課後、よく私のいる仕事場の事務所に来て「行きたくない」「辞めたい」と言うようになりました。
理由を聞くと、監督を含めて人間関係が上手くいっておらず、共感できない場面が増えてきたそうです。
詳しいことは分かりませんが、何度目かの相談を受けたあとに「辞めたら?」と言ってみたのですが、「お父さんがダメと言うから続けるしかない」と泣かれてしまいました。
兄夫婦の考えもあると思いますし、叔母の私としてはあまり踏み込めず、慰めながら心を痛めていました。
それから2カ月ほどたった頃、兄の友人がコーチをしているバレーチームに「姪が選手として呼ばれた」と聞きました。
その兄の友人というのは私の中学校の先輩で、昔は部活でキャプテンをしていて、とても人望がある人物です。
そんなこともあるんだと思っていたのですが、試合があるとのことで、兄夫婦と一緒に観戦に出かけました。
試合が始まり、姪が出場した瞬間、他の子たちがチームメイトと同じように姪の名前をコールして声援を送ってくれました。
「姪と一緒にバレーをやるのは初めてなのに...みんな凄いな」と思っていると、兄の友人がコソっと教えてくれました。
「姪ちゃんはバレーが好きなのに、嫌な思い出を最後にして卒業してほしくなかった」
そんな思いから、友人は自分のチームの子どもたちに事情を打ち明け、みんなで話し合ってくれたそうです。
「どうだろう、次の試合の日はうちのチームで一緒にやるのは?」
そう問いかけてみたところ、子どもたちは「賛成! 一緒に勝とう!」と気持ち良く受け入れてくれたそうです。
先輩らしい計らいだなと思いつつも、なかなかできることではないと感服しました。
そして、そんな周りのみんなの気持ちが伝わったのか、姪はちょっと緊張がみられたものの、終始ニコニコとプレーしていました。
試合のコートに立ち、みんなのコールを受けながらサーブを打つときには、見たことのない気合の入った表情。
これには驚きながらもカッコイイと思ってしまいました。
その後、プレーが決まってみんなとハイタッチをしている姿に、自分まで救われたような気持になりちょっと目が潤んでしまいました。
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