20代で結婚、2男1女を授かり、主婦として暮らしてきた中道あんさん。でも50代になると、夫との別居、女性としての身体の変化、母の介護...と、立て続けに「人生の転機」が訪れます。そんな激動の中で見つけた「50代からの人生を前向きに過ごすためのヒント」。
妹さんご夫妻の帰国をきっかけに、家族ぐるみで過ごす時間が増えたという中道あんさん。今まであまりなかった過ごし方の中、新たな気付きがあり...
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【最初から読む】仕組みを作って安心。ひとり時間が多い親の見守り/中道あん
妹夫婦が25年ぶりにアメリカから日本に移住することに決まった5月。
それによって、持ち家だったマンションをリノベーションすることになりました。
妹夫婦は在留資格認定証明書をとるための手続きなど、ハイスピードで行った結果、2カ月ちょっとで帰国。
その間、私はショールーム巡りや、リフォーム会社などの打ち合わせ、手続き書類の準備、家電製品の調達など代行であちこち動き回っていました。
とはいえ、まだマンションの工事が済んでおらず、1カ月経っても仮住まいの不便な生活です。
この25年間、妹夫婦とは、数年に1度は会うことはありましたが、普段は用事があったときにLINEでやり取りする程度の関係性です。
そこまでお互いの家族について知る機会はありませんでした。
しかし、この2カ月間、LINEのビデオ通話やZoomでやり取りすることが増えて、交流が深まりました。
32歳になった長男が随分と手助けしてくれて、働きざかりで体力や知識も豊富で、すごく頼りになる存在だということが、シニア世代の私たちにはよく分かりました。
私はおひとり様だからでしょうか、どうしても個人との付き合いしかしてきませんでした。
子どもが小さな頃も、ほぼワンオペ育児でしたので、家族ぐるみで遊びにいっても私だけがひとり親だったりしました。
そのせいか、家族ぐるみの付き合いが深まっていくことがあまりなかったのです。
今回、息子に運転を任せ、妹夫婦と一緒に買い物に出かけたり、役所についていったり、外食をしたりと、多くの時間を共有しました。
すると、どうしても家族同士の会話になっていき、それが新鮮だったのです。
子どもの頃、友だちの家にいくと、ご両親が友人夫婦を招いて食事楽しんでいたり、大人たちだけで遊びに行ったりしている様子を聞いて、いつも夫婦だけで行動しているうちの親と違って楽しんでいるように見えました。
どうしてうちの親は、友だちがいないんだろう?と思っていたことを思い出したのです。
子どもが巣立ったあと、夫婦2人暮らしはつまらない。
などいう愚痴を聞いたりしますが、家族ぐるみで付き合える相手を探すのもいいなぁ、と思いました。
私の場合、息子と2人の外食では「美味しいね」以外の会話が弾むことがあまりないし、そんなにたくさんの品数を食べきれません。
それが、妹夫婦が一緒だと、会話も弾みますし、色んなメニューを少しずついただけて、食事の時間がとても楽しいものになります。
若かりし頃、友だちカップルとダブルデートを楽しんだ記憶があります。
シニア世代の場合は、妻や夫のどちらかが「気の合う同士」など、「お互いに仲がよい夫婦」ならば、ダブル夫婦デートをして新鮮な空気を取り入れるのもアリかもな、と思ったのでした。
残念なことに、私にはそのような夫がいませんので、想像しては羨ましい気持ちになっています。
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