<この体験記を書いた人>
ペンネーム:abby
性別:女性
年齢:56
プロフィール:猫ラブ・ベジタリアン・夫は外国人。
私は独身時代、親に恋愛の話をすることはありませんでした。
母親もうっすら「いい人がいる」と感じていても、私に尋ねることはありませんでした。
私は母親が何か言いたそうにしているのを察すると、鬱陶しく感じて距離をおいていたのです。
自分はもう立派な大人だと思い、親にアレコレと口出しされたくなかったのです。
今振り返ってみると、母親はさぞかし心配していただろうと思います。
当時の私に「甘ったれたバカヤロー」と言ってやりたい。
それから私は就職を機に、一人暮らしを始めました。
私は解放感を味わいながら、仕事や友人にも恵まれた、充実した日々を過ごしていました。
やがて26歳になった私は、真剣にお付き合いをする男性に出会いました。
いつかは結婚したいと思える人でした。
付き合い始めて1年ほどたった頃、彼の住んでいるアパートが建て替えになり、部屋を退去しなければならなくなりました。
そこで次の場所が決まるまで、私のアパートで一緒に暮らすことになりました。
2人で計画して一緒に住むことになったわけではないですが、初めての同棲に心が弾みました。
しかし、これがどこからか私の両親の耳に入り、ある晩、父親から電話がありました。
父は電話の向こうで激怒しており、私をここでは書けないようなひどい言葉で罵りました。
「父の気持ちも少しは理解ができるけれど、実の娘に向かってこんなひどいことがよく言えるものだ」
罵る父の声を聞きながら、電話口で固まっている私自身を上から見ている冷静な私がいるという感覚を、いまだに覚えています。
父は言いたいことだけ言ってガチャっと一方的に電話を切り、その後の親子関係は最悪で、私が結婚するまで音信不通になりました。
電話を一方的に切られて静まりかえると、驚きや悲しみ、そして恐怖感が沸き上がってきました。
私の感覚としては、同棲はむしろ人助けのつもりだったので、全否定されてとても傷つきました。
彼はしばらくして部屋が見つかり別々に暮らすことになりましたが、お付き合いは続き、5年後に結婚しました。
両親(現在80代)は昔の人間で、結婚前の女性が同棲することは、道理を外れた悪いことだと決めつけていて、どうしても理解できなかったのでしょう。
でも、今考えると子を想う親の愛情であり、表現方法はかなり個性的でしたが、このことがあって今の私があると思えるようになりました。
現代は、結婚前に一緒に住むこと、妊娠してから結婚を決めること、出産後に子連れで結婚式をあげることも珍しくなくなりました。
職場でも同僚は「同棲している」と普通にサラッと公言します。
それを聞いた同僚や上司は「あ、そうなんだ」と特別驚きもしません。
私は職場で庶務的な業務にも携わっています。
同棲している同僚(20代)の場合、「続柄・同居人」として彼氏が世帯主になっていることがあります。
恋人同士が一緒に暮らすことのハードルは確実に低くなっていることに、時代の変化を感じています。
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