<この体験記を書いた人>
ペンネーム:gaspal
性別:女性
年齢:42
プロフィール:私は42歳。夫は53歳。小学生の息子が1人の3人暮らし。共働き家庭です。
今から20年以上前のことです。
当時、私は引っ越しのアルバイトをしていました。
今でもいろいろなタイプの引っ越し会社がありますが、私がアルバイトをしていた会社は、今は事情によりなくなってしまった珍しい会社でした。
客層はプロスポーツ選手やアナウンサー、企業の重役といった、世間ではVIPやセレブと呼ばれる人ばかり。
プールやパーティールームがあるような豪邸で、台所の高級食器や高級衣服、高級な飾り物などを中心とした梱包や荷ほどきがメインの仕事でした。
イメージ作りなのか、社長、重役、スタッフの全員が女性という会社でした。
私は性格が真面目なほうで、礼儀に厳しい家に育ったせいか、社長に「若いのに言葉遣いも仕事も丁寧ね」と気に入られたようです。
アルバイトをして3カ月もすると、3~6人を束ねる「リーダー」を社長から任されるようになりました。
リーダーの仕事はその日の段取りに始まり、スタッフに作業の割り振り、梱包資材の追加、トラブル時のお客様対応、本社の判断を仰いだ上でフォローをするなど。
なかなか大変ですが、仲間にも恵まれてなんとかリーダー役をこなしていました。
しかし、変なお客様に遭遇し、困ったこともあります。
ある日、いつものように引っ越し作業のためにお客様のお宅に伺ったときのことです。
リーダーの私が他のスタッフとともに「今日はよろしくお願いします」とお客様の豪邸に上がりあいさつをしたところ、40代くらいの女性が出てきました。
「あら、待っていたのよ〜。まずは、流しにあるお皿を全部洗ってちょうだい」
お客様は当たり前のように言いましたが、私は目が点に...洗い物?
「えっと...食器の梱包に伺ったのですが」
丁寧にお断りしつつ、もしかして勘違いだったら正す意味でそう言ったのですが、女性は全く動じる様子がありません。
「あらあら〜。そんな固いこと言わないで、まずは食器を洗ってちょうだい。あっ、高級だから気をつけてね〜」
笑顔で言われて呆然...また、洋服にしわがつかないよう、ハンガーBOXにかけて移動させようとすると...。
「そうそう、他のお洋服は洗濯機に入っているからお洗濯しといて。終わったら干しておいてちょうだいね」
さも当然のように笑顔で指示するのです。
当時は驚きしかなくて、私は他のスタッフと一緒に呆れるばかりでした。
女性は私たちを最初から最後まで家政婦扱いし、終わった頃にはどっと疲れが出てしまいました。
要望を断ったら「私がお客様なのよ!?」と怒りそうで...今なら「カスタマーハラスメントです」と言えたかもしれませんが、当時はそんなことも言えません。
無茶なことを言ってくるお客様はたくさんいましたが、この方が特に強烈で、今でも記憶に残っています。
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