「あの! 今心臓が止まりまして!」舅の暮らす介護施設から夜中の電話/かづ

アメブロで「~こんな事を言っちゃあなんですが!~」を運営しているかづと申します。現在は夫婦二人と2ニャンとで暮らしています。私の嫁時代の体験を思い出しながら書いています。

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小学生の姪がクラスメイトを無視していじめていた問題で、考えが合わない下弟家族とは少し距離を置く事にし、姪とのお出掛けも色々理由をつけた。

姪は「次はいつかなぁ?」と心待ちにしている様子らしかったが、私の中で下弟夫婦に対して「他人だったら即刻縁を切っているのに」という思いがムクムクと湧き上がってきていたので、精神衛生上距離を置く方が良いと判断した。

私は当時別段そんなに暇だった訳でもなく、家事にPTA役員に地域の委員に武道の指導に加え、公共施設で週3の仕事を始めていたのでそれなりに忙しかった。

そして、忘れちゃいけない舅の介護施設への面会も欠かさずにいたので、心のストレスは少ない方が良かった。

ある日の面会日。

施設に行くとちょうど舅ら入居者たちが、おやつの時間にホットプレートで桜餅を自分たちで作って食べ、部屋に戻るところだった。

家にいる時は全く台所に立つ事が無かった舅が、施設の職員さんたちからエプロンを着せてもらい、ホットプレートに桜餅の皮の生地をおたまで流して焼いて、あらかじめ職員さんが丸めてくれていたこし餡に巻いて食べたとのこと。

私は笑顔の職員さんたちに囲まれた舅の笑顔を見ていると、本来舅はこんなに穏やかな生活ができる人だったんだろうなと感慨深かった。

振り返ってみると、認知症がかなり進んだ頃の姑もこんな風に穏やかに暮らし、笑顔を湛えながら私をたくさん褒めてくれる姑になっていた。

昔からよく「ボケたら本性が出る」なんてことを聞いたことがあったが、そう考えてみると舅姑が元気な頃は、なぜあんなに見栄を張って人を見下し、財産を食い潰すほどの散財をしていたのか不思議に思う。

まぁ、以前舅は30万円のハーモニカ通信教育を受講したいと言い出したが、今から考えると金に糸目をつけずに使いたいだけ使っていた生活から抜け出せなかったからであり、言葉を選ばず言うとすれば、舅から貯金通帳を預かった(取り上げたとも言う)時からは、与えられた環境を受け入れて楽しく生活できているのだから、やはり環境というものは大事だとまざまざと感じさせてくれる。

舅にいつもの面会時の手土産のアダルト雑誌数冊を渡すと、付録にAV女優のクリアファイルが付いていたので子どものように大喜びをした。

帰りがけには、来週の面会日には外出して寿司を食べに行こうと話し、来月には施設のお祭りがあるからみんなで来るからねと言うと、「後でカレンダー書いとくわ!」と活き活きと話した。

舅は施設の入り口まで(職員さんの付き添いで)出て来てくれて、手を振って見送ってくれた。

私は自分の親が2人とも亡くなった後なので、残った舅にはもっと親孝行をしてあげねばと思って帰宅した。

夕飯時にはいつもの様に面会時の舅の様子を息子たちに話し、夜遅くに帰宅した夫にも話して聞かせた。

来月の施設のお祭りには家族で行くから休みを取るように言うと、夫は2つ返事で有休を取る約束をしてくれた。

夕食の片付けも終わり風呂にも入って寝る準備をし、寝室に行こうとしたその時電話が鳴った。

夫の親戚には年寄りが多いので、夜中の電話は心臓に悪い。

急いで電話に出ると、舅が入所している施設の職員さんだった。

「あ、あの! 今、舅さんの心臓が止まりまして!救 急隊が来て心臓マッサージをしながら病院に向かっています! すぐに来ていただけますか!」

私は受話器を握りしめながら、いったい誰の事を話しているのか一瞬理解できなかった。

健康法や医療制度、介護制度、金融制度等を参考にされる場合は、必ず事前に公的機関による最新の情報をご確認ください。
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かづ

​ブログ「~こんな事を言っちゃあなんですが!~」の管理人で、Ameba公式トップブロガー。 基本専業主婦の50代。子育てが終り、夫と2ニャンと暮している結婚38年目です。 一人っ子の夫と結婚し、舅姑の理想の嫁でなかった私の結婚生活においての戦いを思い出しながら書いています。

※毎日が発見ネットの体験記は、すべて個人の体験に基づいているものです。

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