<この体験記を書いた人>
ペンネーム:濃姫
性別:女性
年齢:45
プロフィール:夫(47歳)、娘(18歳)、息子(13歳)、愛犬ポメラニアンと暮らす兼業主婦。幼い頃から様々な不思議な体験が多いです。
23年前の7月初旬、会社の社員旅行で訪れた、関東の北部にある有名な観光地のホテルで経験した話です。
貸し切りの観光バスで現地を訪れ、有名なお寺や滝などの観光地を巡り、夕方には湖畔にあるホテルに到着しました。
私と同期たちはホテルの目玉である硫黄泉と透明なアルカリ単純泉を楽しみに「宴会の前に温泉行きたいね」などとうきうきしながら、割り当てられた部屋へ向かいました。
部屋は同期3人と後輩3人の6人部屋で、全室レイクビューだったので、ドアを開けるなり素晴らしい景色に出迎えられた私たちのテンションはマックス。
キャーキャー騒ぎながら部屋の中へ入りました。
しかし、私は部屋に一歩足を踏み入れた途端、ゾッとするような冷気を感じて「何かこの部屋は変だな」と思ったのですが、他の5人は楽し気に騒いでいたので黙っていました。
荷物を置き、6人でさっそくホテル内を散策し、軽く温泉に入ったり、宴会まで部屋で写真を撮ったりして過ごしましたが、どうも落ち着きません。
宴会後、再び6人で温泉を堪能し、部屋に戻る途中でカラオケに行く上司に「後でおいで」と誘われたため、私と同期の2人は上司と夜中までカラオケを楽しみ、午前1時過ぎに部屋に戻りました。
部屋では後輩3人がすでに寝ていたので、起こさないよう静かに寝支度をし、私たちも寝ようと布団に入りました。
しかし、私はなかなか眠ることができず、トイレに行こうと起き上がりました。
すると、急にカーテンが強風にあおられたように浮き上がり、窓ガラスに左腕が血だらけの女性が見えたのです。
部屋は5階、窓の外に人が立つことは不可能です...。
私は怖くなって布団に潜り込み、夜が明けるのを待ち、カーテンの向こうが明るくなったことを確認して、やっと眠りにつくことができました。
社員旅行を終えて後日、昼休憩時に後輩がホテルの部屋で撮った写真をみんなで見ていたとき、1人の後輩が「え、何これ!」と声を上げました。
そして「先輩の腕が...」と1枚の写真を手に取り、私に見せてきたのですが、その写真を見て私は恐怖で固まってしまいました。
真ん中で笑っている私の左腕が肉の塊のようになっていたからです。
他の5人も写真を見て絶句...そこで私は初めて、ホテルの部屋で見た女性の話をしたところ、かたわらにいた先輩が言いました。
「私もその女の人を見たよ。それで気になって帰ってから調べたら、20年以上前にあのホテルの裏の山林で左腕がない女性の遺体が発見されたんだって。殺人事件なのか熊に襲われたのか、いまだに分からないみたい。だからその写真は供養した方がいいかも」
その言葉にゾ~ッとなった私と写真を撮った後輩は、慌ててお寺に写真とネガを持って行ったのでした。
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