<この体験記を書いた人>
ペンネーム:くもりのち晴れ
性別:女性
年齢:65
プロフィール:78歳の夫と2人暮らしの会社員です。
10年ほど前、78歳の夫の育った島へ孫家族を連れて家族旅行をしました。
夫の育った島は、透明な海水が美しい島です。
本土と島をつなぐ橋、島と島をつなぐ橋も整備され、キャンプや釣りなど自然を余すところなく満喫できます。
泳いで食べて休憩し、それからまた泳ぎ、夜はコテージでみんなで就寝、それが島を訪れたときの定番でした。
その日も夜も明けぬうちに我が家を出発し、島に着いたのはお日様がちょうど登った頃。
コテージに荷物を置いて、水着に着替えた6歳と4歳の孫を浜に連れていき、海水浴を楽しんでいました。
泳ぎの苦手な私は、夫や孫家族が楽しそうにはしゃぐ姿を動画に収めていました。
海岸には屋根付きの広い休憩所が連なり、どこもいっぱいの状態です。
孫たちを少し泳がせて、寒さで唇の色が変わらないうちに休憩所に上がらせました。
泳ぎたいと駄々をこねる孫たちをなだめて、しばらく我慢させた後、再び浜へ。
すると、遊んでいた4歳の孫が突然大きな声で「トイレ行きたい!」と言いました。
慌てて夫が連れて行こうとすると、残念ながら間に合わなかったらしく「じいちゃん! 大きいの漏れた!」と泣きながら叫んでいます。
あわわ...これは大変だと思っていたら急に表情が変わり「気持ち悪いから、パンツ捨てた」とすっきりした顔...。
孫の言葉に唇も顔も青ざめた、夫と孫の両親。
「どこで捨てた?」と焦って探そうとするも、大勢の海水浴客がいて見つかりそうにもありません。
しかし「大きいの漏れた!」の声は伝わったらしく、周りの人たちは一斉に「えー!」と言いながら遠ざかり、広い海岸の一角は我々家族だけになりました。
「ごめんなさい」とお詫びをして頭を下げましたが、気持ち悪いことこの上なかったと思います。
「わしが子どもの頃は小便くらい黙って済ませて知らん顔だったけど、さすがに大きいほうはなあ...」
夫も憔悴していました。
とにもかくにも、警備の人など各所に謝ってその日は早々に引き上げました。
近くに銭湯があるので立ち寄ると、大きな浴室は満員で、一斉に振りむいて失笑されてしまいました。
みなさん、先ほどの海水浴場におられた方々だったのでしょう。
ここでも頭を下げて、逃げるようにコテージに向かいました。
いつもなら翌日も泳ぐのですが、そのときは島巡りをしようという話になり、小さな島をいくつも渡り、最後にフェリーで本土に引き返しました。
孫は前日の出来事は忘れてしまったようで、フェリーで大はしゃぎしていました。
一方、大人たちは苦い思い出を語る羽目になりました。
人気記事:孫が酷い下痢になっても「私は悪ないで!」。幼い息子に大量の食べ物を与える姑《かづ》
人気記事:《漫画》止まらない涙...10歳の私が「酒好きの父」を避けるようになった母の誕生日での出来事<前編>
人気記事:《漫画》「命を削ってでも孫の面倒を見る!」弟の妻が亡くなり80歳両親が「子育て」に奮闘!?<前編>
- ※
- 健康法や医療制度、介護制度、金融制度等を参考にされる場合は、必ず事前に公的機関による最新の情報をご確認ください。
- ※
- 記事に使用している画像はイメージです。