これは今から約10年程前、脱サラして居酒屋を始めた大将とその妻である女将に起こった出来事です。
現在の私は離婚して一人暮らし。近くに住む孫たちと楽しい日々を過ごしております。
【前回】不倫ゲス旦那の体を気遣う私。この行為は愛なのか? それとも...?/オキガネ
【最初から読む】夫のリストラから夫婦で居酒屋経営へ。順風満帆だった我が家に忍び寄る影/オキガネ
夫婦仲は極悪でも生活の為にまだ居酒屋で働いていた頃、大きな地震がありました。
私は前日珍しく早く家に帰って来て早くに寝ていました。
地震の直前に目が覚めてトイレに行き、布団に入るとスマホのチェックをしてもう一度寝ようと思っていました。
その時突然グラッと大揺れ!
咄嗟に地震だと思い布団から飛び出したところ、身体が安定せずに柱の角で腕を擦りむきました。
その後ぐわんぐわんと回るように大きく揺れたように感じました。
直後にアラームが鳴りました。
あちこちで、がしゃんがしゃんと物が落ちる音がしました。
実際は数秒間なのでしょうが、かなり長く感じて恐怖しかありませんでした。
揺れが収まってハッと我に返った私は、旦那は帰って来ているのかしらと、一階の旦那の部屋を見に行きました。
すると、何故かドアは10cm程しか開かずに隙間からは本棚がベッドに倒れているのが見えました。
焦った私は部屋の中に向かって 散々叫んだ挙げ句、ふとあることに気付きました。
帰って来ていれば玄関に旦那の脱ぎ散らかしたサンダルがあるはずです。
サンダルはありませんでした。
そこで始めて私はマナーモードにしていたスマホを確認すると、娘達と旦那からものすごい数の電話が入っていました。
長女は直ぐに連絡入れたのに返信がないから私に何かあったのではないかと心配したといってました。
次女は当時は会社員でしたから本人も出勤難民で大変なのに心配してくれていました。
地震直後に旦那の安否が気になって直ぐに階下に降りてじたばたしてたのよ、とは言えず。
その後、旦那が電話に出ない私を心配して店から帰ってきました。
ごめん、娘達と連絡してた。
そういうと旦那はほっとした顔をして、心配したと言いました。
本当に?どうせ先に彼女に連絡取ってたんじゃない?
そんなひねくれた気持ちがよぎりましたが緊急事態なので本心だと思うようにしました。
とりあえず、旦那は店に戻り片付けをすると言い、私は家を片付けると手分けしました。
何にせよ、命があって良かったなと思いました。
後で入れるようになった旦那の部屋を見たのですが、本棚は倒れて棚に入っていたすべての物が旦那のベッドに落ちていました。
これって当たりどころが悪かったら、死んでた...?
ぞっとした出来事でした。
地震から数日後、店から家までの往復以外を歩きました。
それは店から駅前までの商店街だったのですが、歩道が所々隆起して歩道と車道の間にある車止めがナナメに傾いていたりするのを目の当たりにして地震の凄さに驚きました。
商店の一部はガラスが割れた様子で、シートが張られていたり、ガムテープで目張りされていました。
近所の同業者の中にはコレを機に廃業される方もいると、情報通の旦那から聞きました。
それを聞いて、「辞められるものなら辞めたいわぁ」と旦那に言いました。
旦那は苦笑いしていましたが。
まぁそりゃそうよね。
まだまだタダで働いて貰わないといけないものね...。
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