【64歳父の終活】夫婦のため、子どものため。父が決断した「生前墓」という選択

<この体験記を書いた人>

ペンネーム:かっちゃん
性別:女性
年齢:43
プロフィール:世間知らずの一人娘が大家族へ嫁ぎ、今では3児の母です。

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私が26歳で結婚した当初から、実家の母は入退院を繰り返していました。

ここ10年は一時帰宅ができればいい方で、ほとんどが病院での生活。

原因はメンタル面にあったので、完治するのが難しいことは、本人も含めて家族みんなが分かっていたことです。

その一方で、病院にいる時間が長く、一般の人よりも頻繁に検診やチェックを受けていたため、母の健康面については何も心配をしていませんでした。

その母が2年ほど前に突然歩行困難となり、あっという間に植物状態にまでなってしまいました。

原因不明であることから、今後の見通しすらお医者様でも分からないとのこと。

突然のことにショックを受けている私を横に、父は淡々としているようにも見えました。

そして、一週間もしないうちにお墓を購入してきたのです。

私にしてみれば考えられる病気の原因を調べ、治療の可能性を主治医の先生に聞いたり、必死でネット検索をしたりしていた最中でしたから、亡くなってもいないのにお墓を買ったことに怒りを感じました。

そんな私に、父は「俺が先に逝かない保証はないからな」と静かに語りました。

あきらめではなく覚悟のようなものを感じたので、私も冷静になり、父の意思に賛同することにしました。

そもそも、先生との話し合いやネット検索などは、私に現状を伝える前に父も必死にやっていたはず。

私なんかよりも、ずっと先に悲しみと苦しさを一周して、腹をくくっているのだと感じました。

父が購入したお墓は樹木葬と呼ばれるもので、継承者も不要のタイプのようでした。

母だけが残っても一人娘の私が困らないように、また、墓守の負担もかけたくないというのが父の言い分でした。

64歳の父には早すぎるような気もしましたし、すぐにでも母か父のどちらかが死んでしまうかのような気がして、正直恐怖もありました。

後日、子どもたちを連れて父と現地を訪れることに。

何もない地面に塩ビパイプが埋め込まれているだけで、そこにお骨を入れると思うと虚しさを感じました。

しかし、当の父はお墓を購入した後も、自宅のリフォームなど日々の仕事を楽しみながら、回復しない母を見舞う生活を続けています。

昔から「死んでしまえばみんな同じ。何も残らないよ」という考えの人でしたし、死についても腹をくくっているのかもしれません。

いずれにしても、「備えあれば憂いなし」を体現しているなと感心しつつ、切なさも感じる私なのでした。

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