20代で結婚、2男1女を授かり、主婦として暮らしてきた中道あんさん。でも50代になると、夫との別居、女性としての身体の変化、母の介護...と、立て続けに「人生の転機」が訪れます。そんな激動の中で見つけた「50代からの人生を前向きに過ごすためのヒント」。
リビングダイニングキッチンをリフォームした際に、いくつもの食器や鍋を処分したという中道あんさん。その中には、愛着のあった道具もありましたが...
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2020年12月にLDKをリフォームした時、息子と2人暮らしには多すぎると食器や鍋類をたくさん処分しました。
ほとんどをシステムキッチンの引き出しに収納して、特別な食器はチェストに。
主婦歴30年の思い出が詰まった食器や鍋などを処分するときには、まだ使えるのに...と思って寂しい気持ちになりました。
わが家にはホットプレートがなくて、焼きそばやお好み焼きはゴトク2つ分を使う感じの大きい鉄板で調理していました。
ホットプレートで焼くより、厚手の鉄板の方が美味しく焼ける。
粉ものにこだわりが強い大阪人だからこその鉄板でした。
子育て中は大活躍でしたが、息子と2人じゃ出番なしと泣く泣く処分することに。
いま利用している野菜のサブスクで頻回にキャベツが届けられるのですが、新鮮なキャベツを見るとどうしてもお好み焼きを食べたい!と思います。
けれど、もう鉄板はありません。
フライパンでも作れるのですが、それで焼くのは嫌なのです。
「あぁ、早まったかな~」と少し後悔しましたが、普段使いできないものは手放していくことに決めたので仕方がありません。
キャベツはもっぱらスープにして、お好み焼きは近所のお店に食べに行くものになりました。
先日家族で外食したときに、娘が天ぷらの盛り合わせを注文しました。
食べながら「以前は、ママはよく天ぷらを揚げていたよね~」と言われてしまいました。
「わぁ、覚えてくれてたん?でももう天ぷらは家では作らへん。外で食べるもんにした」と答えました。
天ぷらは少し揚げるつもりでも、ついつい材料を揃えてしまい、気が付けば大皿に2,3枚になってしまいます。
揚げたての天ぷらの美味しさは、スーパーのお惣菜売り場のそれとは比べものになりません。
モリモリと食べてくれる子どもたちの顔を見るのはうれしいものです。
でも一方で、その後始末は大変です。
ガスコンロ周りは油まみれで掃除に時間がかかります。
たくさんの油を1回で捨てるのはもったいないので、油ポットで保管。
その油ポットもすぐに油でギトギトになるので、洗うのも大変。
天ぷら鍋も油が残らないように丁寧に洗わないといけません。
しかも、たくさん揚げるので、自分はその油の匂いでお腹がいっぱいになってしまうのです。
いざ食べようとしたら胃もたれして、お箸が思ったように進まなかったりします。
それで、もう天ぷらを家で作らないと決めました。
まだ結婚してまもない頃、夫の実家で行われた法事で会食がありました。
出された天ぷらを前にして夫の叔母が「天ぷらは外で食べるものですよね~」と言って、周りの女性の同意を得ようとしていたのですが、なんだかシラーッと冷たい空気になりました。
そのとき、私は「叔父さんは天ぷらも作ってもらえず可哀そう」と思ったのです。
あの当時の叔母は、今の私と同じくらいの年齢です。
「叔母さん! 今ならわかります!」
自分だって美味しい天ぷらを食べたい!
後始末に疲弊したくない!
天ぷらは外で食べるものに大賛成です!
と、今ならお伝えしたいです。
天ぷらポット、天ぷら鍋も手放しました。
たまに、とんかつを食べたくなったときは、多めの油をフライパンに敷いて揚げ焼きにします。
から揚げは、ミルクパンで3つずつ揚げて10個ほどで終了。
油は1回で捨てるようにしています。
2人暮らしになって、小さな鍋を活用する機会が増えました。
キッチンの引き出しでは本格的な中華鍋が存在をアピールしていますが、ほとんど出番がありません。
これは結婚祝いで先輩からいただいたのですが、そろそろ手放す時期だと思っています。
歳のせいでしょうか、中華鍋が重く感じるようになり扱いにくくなってきました。
一生ものだと思って愛着を持っていた道具も、自分の年齢や暮らし方によっては役目を終える時がくるのですね。
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