性別:女
年齢:54
プロフィール:現在、自宅で教室をやっています。会員さんは徒歩20分以内に住むご近所さん。楽しく仕事をしています。
※ 毎日が発見ネットの体験記は、すべて個人の体験に基づいているものです。
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今の家に引っ越してきたのは5年前の事。条件に合った借家が2軒しか見つからなかったことから、この家を選ぶことにしました。私としては階段のない平屋住宅が良かったのですが、家族が反対するので2階建ての住宅を借りたのです。
大家さんと初めて会ったのは不動産屋さんでの契約時。高齢の大家さんを想像していたのですが、なんとまだ20代の女の子。最近は安易に不動産投資を始める人が多いと聞きますが、この大家さんもその一人でした。
とりあえず自宅でサービス業をしたいというお話をしたら、大家さんは快く承諾してくれました。ですが、不動産屋さんでその話をしたものの、書面での契約を交わすことはなく、契約書に書かれていたのは「物品の販売を禁ず」という言葉だけ。
今にして思えば、そこで契約書を交わさないという事自体、素人の不動産経営なのでしょう。ですが入居後は特にトラブルなく過ごしていました。
ですが、引っ越しをして1年ほど過ぎた頃、大家さんから突然電話がかかってきました。その内容は、「今使っているプロパンガスを都市ガスに切り替えませんか」という話でした。
私はてっきり、大家さんが全額負担してくれるのだと思っていたのですが、「工事したかったら、どうぞご自由に工事して下さい」という話。「でも、工事には15万円くらいかかるんですよ。いくらか出してくれるんですか」と聞くと、「私の方からは出せないけど、ご自由に工事して下さい」と、まるで工事して欲しいかのような口調でした。
私は「一体、大家さんは何を言っているんだろう」と、少々呆れてしまいました。別に私の持ち家ではありませんし、一生そこに住みたいとは思っていなかったので、そのまま工事をしないでおきました。
そして、2回目の更新が終わったばかりの頃、また大家さんから不思議な電話がかかってきました。「実は私、結婚することになりまして、そこに住みたいと思っています。ですので、退去してください」と、突然言われたのです。しかも、引っ越し費用はまったく出さないというのです。
通常、長期間借りる予定で住んでいるのですから、退去となると大家さんが一部、または全額の引っ越し費用を出してくれるものなのですが、「早めに言えば大丈夫」とでも思ったのでしょう。不動産屋さんにお話すると、「そんな話聞いた事が無い」と驚いていました。
そして、真っ先に思い出したのが都市ガス工事の話。もしも工事をしていたら、私は意味もなく15万円くらいのお金を費やしていたという事になります。本当に工事をしなくて良かったなと思いました。
私は自宅で会員制の商売をしていたので、遠方に引っ越すと会員様を失う恐れがあり、仕事をする上でも一大事。困ってしまいましたが、「もうこんな子とは縁を切りたい」と、引っ越しをすることに決めました。そして、何軒も不動産屋さんに問い合わせを開始。なかなか条件の合う家が見つからずにいたのですが、最近、ようやくいい所が見つかったのです。
それも、ありがたいことに近所中の方が心配してくれて、不動産屋さんがあまり宣伝していないような家を見つけてきてくれました。そこの大家さんは一人暮らしのおばあさんで、お年のために建物の管理が辛くなってしまい、入居者の募集も厳しくなっていたそうです。
そして、その物件を紹介され、今の大家さんに引っ越しすることを告げようとしたら、大家さんから1通の書類が届きました。それは「契約更新拒絶通知書」というもの。これは元々入居する時に期限の定めがある賃貸物件で発行するもので、私の場合は「解約の申し入れ」という書類で私の同意を求める形になりますし、送る前に一言あるのが常識です。
今は、非常識な大家さんと縁を切り、おばあさんの経営する物件に引っ越しすることが楽しみでなりません。若い、素人経営の大家さんには要注意ですね。引っ越し予定先の大家さんは、商売についても承諾して下さり、温かくて感じのいい方です。引っ越しは大変ですが、そこで仕事も生活も新しくスタートしようと思います。
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