もう他人事じゃない?ネットカフェ難民4,000人、その半分が30代以上

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「ネットカフェ難民」という言葉をご存じですか? 住まいを持たず、24時間営業のインターネットカフェや、マンガ喫茶で暮らす人たちを指す言葉です。東京都が初めて実態調査をしたところ、都内には1日あたり約4,000人ものネットカフェ難民がいると明らかになりました。

その一方で、厚生労働省によるとホームレス(路上生活者)の人たちは年々減少しており、昨年には全国で5,534人だったというデータがあります。なぜホームレスは減っているのに、ネットカフェ難民は増えつつあるのか? この傾向から見えてくる、もはや他人事とは思えない、とても怖い実態とはなんでしょうか?

なぜネットカフェ難民に?

都内に4,000人いたネットカフェ難民の男女別内訳は、97.5%が男性。年齢別に見ると、最も多かったのが30代で38.6%、次に50代の28.9%。つまり30代と50代で、ネットカフェ難民の約7割を占めているということになります。

ネットカフェ難民の多くは、日雇い派遣労働などの非正規雇用で生活しているようです。日雇いは毎日安定的に仕事があるわけではなく、先が見通せず貯蓄は難しいと言われています。一般的な賃貸住宅を借りる場合には、敷金、礼金、前家賃といった、まとまったお金が必要となり、家主と契約するには保証人も必要です。

片やネットカフェには、個室席、シャワー、ソフトドリンク、マンガ、インターネットが備えられ、深夜には1時間100円程度で利用できるお店があります。入浴や就寝のため、日に6時間滞在したとしても、月に20,000円以下で済む計算になります。決して好きでネットカフェにいたいわけではなく、上述したようにまとまったお金を作ったり、頼れる人がいなかったりするから、こうした施設を利用しているのです。

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ホームレスとネットカフェ難民の違いは?

平成28年に厚生労働省が行った調査では、ホームレスの平均年齢は61.5歳、このうち46%が60代でした。ホームレスとネットカフェ難民では、まず年齢層が違うようです。そしてもっとも大きな違いは、ホームレスの人たちは路上で生活をしていることです。

正規雇用で働いている人たちも、大半は60〜65歳で定年を迎えます。再就職をしようにも、求人は極端に少なくなるなります。非正規雇用でも同様に、年を取るほど仕事を見つけるのが難しくなることは容易に想像できます。

現在の状況は、まだ40代、50代で仕事のある人が、ホームレスにならずにネットカフェ難民でとどまっているだけです。このまま高齢化が進めば、お金を得る手段がなくなってネットカフェにも止まれなくなり、ホームレスになることが予想されます。

早めの相談が負のスパイラルを断つ

この事実が他人事に思えないのは、私たちのまわりにも非正規雇用で働く人が多くいる現実があるからです。「派遣先から一方的に契約を切られてしまった」「今まで暮らしていた寮を出なければならなくなった」。このようなとき、すぐに仕事が見つからず住まいを借りられなければ、ネットカフェ難民になってしまいます。そして、その状態が長引けば、ホームレスになる可能性も決して低くないのです。

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もし、諸事情で生活に困窮するようなことがあったら、まずは親、友人などの身近な人に相談してみましょう。周りに頼れる人がいなくても、行政・民間を問わず、さまざまな支援団体があります。仕事が見つからないから、アパートを借りられない。ネットカフェ難民だから、定職につけないままでは、完全に負のスパイラルです。独りで悩まずに、一刻も早く周りに助けを求めることが、困難な状況から抜け出す唯一の解決策ではないでしょうか。

文/長田小猛

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