<この体験記を書いた人>
ペンネーム:ぴち
性別:男性
年齢:51
プロフィール:あまりにも信じられない発言をする社長に見切りをつけた次第です。
年々、働く環境が良くなるよう法整備が進んでいます。
さまざまな法改正がある中で、年間で最低でも5日の有給休暇を取得できるようになったのは、労働者としてとてもありがたいものです。
しかし、あまり好ましくないと考える経営者もいて、「なぜ、働いてもいない日に給料を出さなければならないのか?」という思いがあるようですね。
しかし、有給休暇を取得させなければ法律違反になってしまいます。
あまりに悪質な場合は、懲役や罰金といった罪に問われてしまいます。
それは私(当時50歳)が勤務していた会社の社長も理解していて、経営者泣かせの法律だと愚痴をこぼしていました。
ですが、法律が変わった以上、中小企業といえども対応しなくてはいけません。
法律が変わったことは多くの社員が知っていて、「うちの会社も年5日の有給休暇、取得できるんですよね?」と私に相談をしてきました。
社長の愚痴聞き役を担当する私は、有給休暇取得のシステムを作るべく、まずはスタッフの増員を図ることを社長に進言しました。
ところが、私の話を聞いた社長は信じられないことを言い出したのです。
「人を余分に雇う分の人件費として、お前の給料を下げる」
いやいやご冗談を、と返す私に対して「自分は真剣だし、本気だ」と真顔で言う社長。
他の社員からの要望を伝えると「有給休暇を取ったとサインをしてもらえば、本当に休ませる必要はないんだ」と社長は言いました。
「自分の給料が下がるのが嫌なら、有給休暇を取ったふりのサインをするよう、全社員に伝えろ」
最後に社長はそう言って、この話は終わりました。
私はこのときに、近いうちにこの社長から決別しようと誓いました。
給料を下げられるのはもちろん嫌ですが、それ以上に不正の片棒など担ぎたくありません。
何より、最初から法を守る気がないこと、働く社員のことを考えていないことに心底腹が立ちました。
それから半年後、私はその会社を離れ、別の会社に転職しました。
現在の会社では「5日と言わず付与された有給日数はどんどん使え」と社長の指示があり、取らせないと相当のお叱りを受ける、とのことです。
最近の法改正を受けてそうしたわけではなく、もう10年ほど前から有給休暇取得に力を注いできた話を聞いて、同じ社長でもこんなに違うのか、と思わざるを得ません。
退職後、前の会社がどうなったのか、詳しく知ることはありません。
社長が罪に問われたとしてもあまり気にはならないのですが、私に相談を持ちかけてくれた社員たちには何もしてあげられなかった後悔が残っています。
その後、どうしているのか気がかりです。
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