<この体験記を書いた人>
ペンネーム:けんけん
性別:女
年齢:51
プロフィール:実母(79歳)息子(12歳)の三人で、ちょっと田舎に暮らしています。
私(50歳)が幼稚園の頃なので、45年以上前のお話です。
父(享年76歳、5年前に死去)が、知り合いから子犬をもらってきてくれました。
紀州犬か柴犬か何かの血が入っているらしい雑種で、黒っぽい丸々としたかわいい子犬でした。
当時『宇宙戦艦ヤマト』が流行っていたので、兄(当時9歳)がヤマトと名付けました。
毎日の散歩も兄と順番を争うぐらいに行き、かわいがっていました。
ヤマトが子犬だった頃のことです。
散歩しているときに、道の真ん中にヤマトより大きな猫が日光浴をしていたことがありました。
そのまま無視して猫の横を通ろうとしたのですが、猫の迫力に負けたのかヤマトが動かなくなってしまったので、抱いて歩くことに。
後日、またその猫と会ったのですが、いつまでも弱虫じゃいけないと思った私は、無理にヤマトを歩かせていました。
しかし、ヤマトは猫からけんかをふっかけられてしまい、案の定負けて走って逃げたのです。
そんな弱虫だったヤマトですが、いつの頃からか体も大きくなり、私が散歩に連れて行くことも少なくなりました。
父が車の板金塗装をしていたのですが、その工場内にリードを長くしてつなぎっぱなしでいることが多くなりました。
営業が終了したあとは、シャッターを閉めた工場内や、フェンスに囲まれて外に出られない工場の裏手で放し飼いです。
ただ、忠義心が強かったようで「自分が家を守らねば!」と犬なりに思っていたのか、何度かフェンスを噛み切り、家の前まで来て留守番をしていることがありました。
フェンスの切り口に引っかけたのか、背中が傷だらけだったと父が話していたのを覚えています。
また、父が修理した車をお客様が取りに来たときには、「うちの車を勝手に持って行った!」と思い込んで、車を追いかけて行ったこともあったようです。
小さい頃と比べたら、ずいぶんとたくましくなっていました。
そんなある日のことです。
父は自動車用のジャッキにヤマトのリードをつないで納車に行きました。
母(当時35歳)は「ここにつないで大丈夫?」と聞いたそうなのですが、父は「(ジャッキは)重いからよう動かさんって」と言っていたそうです。
ですが、ヤマトはジャッキを引きずったまま道路の真ん中まで進んでしまい、動けなくなっていました。
通りがかった車の運転手さんが「犬をどけてください!」と言いに来て気づいたそうで、母が驚いて見に行ったところ、なんとヤマトはジャッキに対して攻撃態勢でワンワン吠えていたとか。
母も車の運転手さんも近寄れず、父の帰りを待ち、ヤマトとジャッキを敷地に戻したとのことでした。
弱々しかった子犬時代からは考えられない成長でした。
でも、そこまでたくましくならなくてもよかったかもしれませんね...。
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