<この体験記を書いた人>
ペンネーム:みけ
性別:女
年齢:52
プロフィール:両親と同じ敷地内に住んでいる52歳の自営業。
79歳の母のことです。
母には近所に4、5人のお茶飲み友だちがいて、しょっちゅう誰かの家に集まっています。
それは良いと思うのですが、去年あたりからその友だちから何でももらってくることにモヤモヤしています。
母の話を聞いていると、おしゃべりの中で「もらったけどいらない物」「買ったけど使わない物」の話題になると、自然と「誰かいらない?」となるらしいのです。
でも、人がいらない物だけに、率先してもらいたいと手を挙げる人もいないようです。
しかし、母は「いる?」と声を掛けられると、ほとんど断らずにもらってきていることが分かりました。
夕飯を食べていると「今日は〇〇をもらっちゃった!」と嬉しそうに話します。
最初の頃は「なぜそんな物を?」と疑問に思っても、母の笑顔に押されて「そうなんだ、良かったね」と私も笑っていたのですが、この頃は笑えません。
もらって来るのが実用的な物や食品ならありがたいですし、笑って一緒に喜べます。
しかし、ブレスレットタイプの反射材など、どう考えても用途が限定される、きつい言い方をすれば使わない物が多いのです。
今年に入ってからの戦利品は、ゴム製の干支の貯金箱や、ガラスのお猪口10個セットです。
小銭を貯めたことがない人が貯金箱!?
「どうするの?」と母に聞くと、「お金を入れなくてもさ、置物にしてもかわいいでしょ?」とニッコリ。
お猪口にしても、父も私も日本酒を飲むけれど、グラスはそれぞれ決まったものを使っていますし、他にもお猪口は何個もあります。
コロナ禍で田舎でも人が集まる機会もなくなっており、そもそも父の飲み仲間もみなさんご高齢で、酒盛りに来てくれることも今はありません。
一体、いつ使うつもりなのか? 置き場所にも困ると思って意見すると、これまた「割れちゃうかもしれないでしょ? 小さくて場所も取らないし」とニッコリ。
私に、どうぞ、と服をもらってきますが、サイズが合わないため毎度お断りです。
先日はエチケットブラシをもらってきました。
ハンディータイプの大きなものです。
両親が使っているのを見たことがありませんし、私はコロコロの方が便利で好き。
すでに間に合っているのです。
「いらない」と言うとガッカリした顔をしましたが、ここで言っておかないと!と心を鬼にして追撃します。
「よく考えて! やたらな物はもらわないで!」
これで分かってくれるだろうと期待したのも一瞬でした。
「だって、もしかしたらいつか使うかもしれないじゃない?」
母はケロっとしています。
今までもらってきた物の保管の仕方に一貫性がないし、絶対にあることさえ忘れて、活躍の機会なんて来るはずがありません。
無駄に増えた物をいつか私が処分する羽目になるのかと思うと憂鬱です。
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