<この体験記を書いた人>
ペンネーム:みけ
性別:女
年齢:52
プロフィール:両親と同じ敷地内に住んでいる52歳の自営業。
81歳の父と79歳の母の話です。
私は両親と一緒に食事をしています。
食事中はテレビのスイッチは必ずオンで、最初はニュースからです。
ニュースが終わる頃に食事が終わり、その後は父が大好きな時代劇の録画を見るのが日課となっています。
そして、このときだけは父が自分でリモコンを操作するのが、いつの間にかできた我が家のルール。
私の手から父にリモコンが渡されます。
しかし、困ったことにいつまでたっても父はリモコン操作が上手くできません。
父の指の太さに対してボタンが小さいのも原因ですが、一番の理由は父自身がリモコン操作を覚える気がないことです。
いくら私と母が教えようとしても、頑としてアドバイスを聞き入れず、正しくない我流の操作にこだわっています。
結局、あちこちとさまよった挙句「何だ? 録画されてねーのか?」と文句を言い始めるので、仕方なく私か母が操作してあげるのです。
そんな父にイラっとしている母は、根気よく教えながらも「ちゃんと覚えてよ!」と日々プチ爆発。
怒るくらいなら教えずに放っておけばいいと思うのですが、夫婦と親子では違うのかもしれません。
そうして、母がプチ爆発を繰り返していたある日のこと。
「だから、そうじゃないってば!」
「人の言うこと聞いてちゃんとやればいいんだよ!」
いつも通りブチブチ怒りながら母が教えていると、とうとう父も怒ってしまいました。
「うるせぇ! ちゃんとやってんだよ!」
思わぬ反撃にあって、一瞬、驚いた顔をした母。
でも、次の瞬間には本気で爆発して「じゃぁ、勝手にしなよ!」と、リモコンをテーブルに乱暴に置いてお風呂に入ってしまいました。
キレた父もそれ以上自分でがんばる気が失せたようで、その日は見たくもなさそうな番組を見て過ごしたのでした。
翌日、父が時代劇を見ようと相変わらずリモコンをいじり始めると、母がすました顔で言ってのけたのです。
「全部、消去したよ。自分で見られないのに必要ないでしょ?」
「ひえぇっ!」
ビックリしながら、念のために録画表を確認してみたのですが、本当に録画が一つ残らず消されていました。
今まで、父に小言や不満を言うのは日常茶飯事だった母ですが、実際に行動に起こしたのは初めてです。
私も心で悲鳴を上げたくらいですから、父は怒りで顔を真っ赤にして、とっさに何も言えませんでした。
しかし、母の行動がよっぽどこたえたらしく、父はようやくアドバイスを受け入れてリモコン操作を覚えようとしています。
結果的に母の行動は正しかった...のかもしれません。
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