<この体験記を書いた人>
ペンネーム:やまと
性別:女
年齢:41
プロフィール:10歳年上の夫と二人暮らしの主婦です。
コロナ禍前まで勤めていた会社での出来事です。
会社全体で飲み会をやることになりましたが、経費節約のため格安プランになるからあまり期待しないで、と上司(50代)から言われました。
案の定、格安プランでの飲み会はどこか物足りなくて盛り上がりに欠けましたが、上司の発した一言で流れが変わりました。
「飲み放題だったけどお酒の種類がちょっと少なかったかな。俺が飲み放題には入っていないワインを入れるからみんなで飲んでよ!」
なんと追加でワインを頼んでくれたのです。
若手社員たちは喜んで、ここぞとばかりに盛り上げます。
「よっ! 待ってましたー!」
「さすがです! この会社に入ってよかったな〜」
「ありがとうございます、明日からも仕事がんばります!」
ワインが来るとみんなで拍手をして、さらに盛り上がりました。
その様子を見ていた他の部署の上司が、慌てたように言いました。
「美味しいワインがきたから、おつまみも必要だよね。私が生ハムでも何でも頼むからみんなで食べて! 何がいい?」
みんな喜んで「わー」っと歓声が上がり、さっきまでの物足りなかった飲み会が嘘のようです。
若手社員もさらに場を盛り上げます。
すると、また違う部署の上司も手を挙げました。
「その生ハムにはこっちのワインもいいんじゃないか?」
そう言ってさらに高いワインを頼んでくれようとします。
そうなると、ほかの上司も黙っていません。
「それより、コースの料理が少なくてみんなお腹空いてるんじゃない? ウニのパスタなんかどうかな? 何でも好きなの言ってよ」
格安プランのコースにはなかった高い料理を勧めてくれます。
格安だった飲み会は一転、ちょっとリッチな飲み会になりました。
若手社員はここぞとばかりに上司たちをヨイショします。
「せんぱーい、これも食べたーい。○○さんも食べたいですよね!?」
「食事の後はスイーツですよね、今このスイーツが流行ってるんですよ。写真撮ってSNSに載せたいな〜。ハッシュタグは『理想の上司』にしようかな〜」
言葉巧みに自分の欲しいものをリクエストする強者も現れました。
さすがに断られるだろうと思いましたが、他の上司が注文を入れると対抗意識なのか、気前よく頼んでくれます。
もはや飲み会ではなく上司たちのプライドをかけたご馳走合戦です。
私たち平社員にとっては、食べ放題飲み放題の宴会になりました。
みんなで好きなものを好きなだけ食べて飲んで、結果的に今までに経験したことのなかったような贅沢な飲み会になり、思いがけず得をしてしまいました。
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