<この体験記を書いた人>
ペンネーム:とらとら
性別:女
年齢:53
プロフィール:アラフィフ兼業主婦。子どもは元気に育ってくれたらそれでいいと思っています。
今から30年ほど前の話ですが、私にはBちゃんという幼馴染がいて、子どもの頃はよく遊んでいました。
しかし、地元の中学を一緒に卒業し、市内の高校へ進学しようかという頃、Bちゃんは突然お父さんの仕事の都合で遠くに引越しを余儀なくされてしまったのです。
当時はまだインターネットも普及しておらず、パソコンや携帯を使ってのメッセージ等のやりとりなどは気軽にはできなかったので、文通のみで交流は続けていました。
そこからBちゃんとは直接は会ってはいなかったのですが、数年ほどたってから電話がありました。
「結婚するから式に出て欲しいの。もしよかったら友人代表スピーチもお願いしたいんだけど」
私は二つ返事で承諾し、喜んで式に出席させてもらいました。
結婚式当日、会場についた私はまず新郎新婦にあいさつしようと控室に入りました。
Bちゃんはとても綺麗でしたし、旦那さんもとても優しそうな方だったのですが、旦那さんのお母さんだけはかなり気になりました。
なんと旦那さんのお母さんは控室で、私もいるのに「中卒の嫁なんて!」とBちゃんのことをグチグチ言っていたのです。
新婦友人代表になる私にも、初対面だというのに「あなたは大学卒業されてるの?」と聞いてくる始末。
これは学歴主義の大変なお母さんだな、と感じました。
心配になった私はついBちゃんに「大丈夫?」と聞いてみると、Bちゃんは苦笑いしながら言いました。
「うん。大丈夫。もうすぐお義母さんも分かってくれると思うから」
もうすぐとはどういうことなのだろう? そう思いながら式場で座っていましたが、じきにその答えがわかりました。
新郎新婦のプロフィール紹介の時に、司会の方がプロジェクターに映し出される写真を見ながらBちゃんのことを「アメリカの大学をスキップで卒業された秀才」と説明していたのです。
そう、実はBちゃんが小学生のときに引っ越したのは海外でした。
Bちゃんは確かに日本での学歴は中卒ですが、アメリカのハイスクールに通い、そのまま向こうの大学もスキップで卒業したエリートなのです。
私がこそっと新郎の母親のほうを見ると「嘘、えっ? 海外っ?」と困惑している様子でした。
「今さら何を言ってるんだ。ごあいさつに来てくれたときにそう言っていただろう」
新郎のお父さんにも、そうたしなめられていたのが聞こえました。
「人の話は最後までちゃんと聞きなさいよ」と、内心ちょっとザマー見ろとすっきりした思い出です。
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