<この体験記を書いた人>
ペンネーム:とらとら
性別:女
年齢:53
プロフィール:アラフィフ兼業主婦。今の職場に勤め始めて30年近くになろうとしています。
今年53歳の兼業主婦です。
20年ほど前に私の職場であった話なのですが、年に一度部署交流を目的として、一定期間別の部署に異動し、そこの業務を体験するという制度がありました。
とは言っても部署交流という名目は表向きで、実際は出世コースに乗った人に他部署を経験させるというための制度なのですが、私もありがたいことにその機会を得たのです。
異動先の部署は主に経理などの事務方の作業が多く、肉体労働は少ないので比較的女性が多い部署でした。
その部署の課長さん(当時30代半ばぐらいの女性)をはじめ、ほとんどが良い方ばかり。
笑顔で業務を教えてくれるので、異動に緊張していた私は少しほっとしていました。
しかし異動から3日程たち、私も業務になれてきた頃、派遣社員のAさんという女性(当時20代前半)が、課長に対し陰湿な態度をとっていることに気が付きました。
最初は、たまたまAさんが課長のデスク横のゴミ箱を倒して気づかなかったのだと思ったのです。
しかしその後もAさんは課長のデスクにだけ営業部からの差し入れのお菓子を置かなかったり、頼まれていた資料を課長のデスクにだけ乱雑に放り投げたり、変だなと思うことが多くなりました。
気になったので他の人にそれとなく聞いてみると、Aさんは以前作成した資料の不備を課長に指摘され修正した結果、その日の退社時間が少し押したのを根に持ち、そんな嫌がらせをするようになったそうです。
他にも課長のデスクの上の私物を勝手に捨てたり、冷蔵庫に入っている課長が買ってきた飲み物を飲んだり、自分のだと言って他の人にあげたりもしているとか。
内容としては地味なのですが、それゆえに陰湿な感じがひしひしと伝わってきて、私も思わず顔をしかめてしまいました。
しかもAさん、実は取引のある会社の経営者の親族らしく、派遣とはいえ誰も強くは言えずにいる様子でした。
さらには男性の前では猫を被るタイプらしく、男性社員には猫なで声で媚びを売っていました。
そのため課長や他の女子社員が何か注意しても「まぁまぁ」と男性社員が庇うということが続いているようで、全く効果がないのだとため息交じりに教えてもらい、私も苦笑するしかありませんでした。
しばらくしてから課長にも直接聞いてみたのですが、本人に何を言っても効果がないのでもうあきらめている様子でした。
「そこまで業務に支障はないし、派遣さんなので契約更新のタイミングで人事に相談する」とも。
その数日後、Aさんが「私に恥をかかせた課長にもっともっと後悔させてやる」と、トイレで話しているのを耳にしてしまいました。
Aさんは私に聞かれれたことが分かっても、何食わぬ顔をしていました。
さすがにこれは早急に手を打たないと業務に支障をきたすのは時間の問題だと思い、異動前の部署の上司に報告しました。
実は当時、私は人事部から異動しており、それをAさんは知らなかったのです。
私の報告よりも先にAさんについては他からもいろいろと声が入っていたようで、私からの直接報告が決定打になったかは分かりませんが、Aさんは次の更新で契約を切ることが決まりました。
職場に平穏が戻ってほっとしましたが、職場でのいじめ、パワハラなどのニュースを見ると、いつの時代でもこういう陰湿な人はいるのだなと思います。
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