<この体験記を書いた人>
ペンネーム:みけ
性別:女
年齢:52
プロフィール:両親と同じ敷地内に住んでいる52歳の自営業。
3年前の夏のことです。
隣の市にある内科クリニックに行った帰りに、駐車場でお財布が入ったバッグが落ちているのを見つけました。
クリニックはテナントビルに入っていて、駐車場は付属の立体駐車場です。
急いではいなかったのですが、拾うかちょっと迷いました。
でも、お財布も入っているし、駐車場を出てすぐの所に交番があるのを知っていたので、届けることにしたのです。
交番にはちょうどお巡りさんがいてくれたので、早速、拾得物の書類を作る段取りになりました。
まずはカウンターの上でバッグの中身を一つずつ出して確認です。
お財布の他には免許証やお薬手帳の入ったポーチ、飲み物などが入っていました。
免許証があるので、連絡を取れるだろうと言うお巡りさんと「良かったね」なんて話しながら手続きもサクサク。
思いのほか早く終わり、「良いことしたな」くらいの気持ちで帰宅したのでした。
ところが翌日、思いもよらないことが起こったのです。
お昼過ぎにバッグの落とし主と話す60代の女性から電話がありました。
すっかりお礼の電話だと思い込み、にこやかに話をしようと構えていた私。
ところが...「お財布に入っていたお金、盗ったでしょ?」
相手(女性でした)の口から飛び出したのは予想外の言葉でした。
怒った口調でそう言われ、驚きのあまり「えぇっ!?」と大声で叫んでしまいました。
どうしてそんなことに発展したの?
焦ったあまりにしどろもどろできちんと話ができないでいると、女性は言いたいことをペラペラしゃべり続けています。
「お財布の中に10万円入っていたのよね。あなた、バッグを盗ってお財布からお金だけ抜いて交番に届けたんでしょ? あれは支払いに使うお金だから困るのよ。返してくれない?」
そうか、だから駐車場なんかにバッグがぽつんと落ちていたんだ、と思わず納得。
「落ちてたんじゃなくて盗んだんでしょ? お金を返してくれたら警察には言わないから」
私の沈黙に乗じて女性はさらに畳みかけてきます。
さすがにハッと我に返りました。
「ちょっと待ってください、10万円も盗られたんじゃ確かにお困りでしょう。でも、ちょっと酷くないですか? そもそも、本当に私がお財布からお金を抜いたのなら、バッグを交番に届けるなんて危険なことはしません。その上、連絡先を正直に書類に書くわけないじゃないですか? 飛んで火にいる何とやらですよ」
もう、必死になって説明しました。
声を荒げちゃいけないと分かりながらも、熱が入ってついつい声も大きくなっていたと思います。
でも、気持ちが伝わったのか、話し終わると女性は「そうですよね」と、納得してくれました。
そして、ようやくバッグを拾ったお礼を言ってくれ電話を切ったのですが、どっと疲れてしまいました。
こんな目に合うのなら知らんぷりして通り過ぎれば良かったと後悔した出来事でした。
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