<この体験記を書いた人>
ペンネーム:ウジさん
性別:男
年齢:59
プロフィール:田舎の一本道、前の車を追いかけざるを得ないのが日常。ある意味あおり運転の常習犯みたいなものなのかもしれません。
2021年の6月末の休日のことです。
朝8時過ぎに電話が鳴りました。
「せっかくの休みの朝から、誰だ?」と電話を取りました。
「あ、ウジ様のお宅でしょうか?」
「どちら様ですか?」
「えっと、電話口はウジ様ご本人ですか?」
これはまた何かの勧誘だな、とピンときて語気を強めました。
「そうですが、いきなり聞くのは失礼ではないですか?」
「申し訳ありません。私、〇〇警察の交通安全課の××と申します」
え、警察? と驚きました。
「あの、昨日の夕方、□□を市街方面に向かって運転されていましたか?」
いよいよ取り調べのように質されました。
何ごとか分からぬまま、反射的に「はい」と答えてしまい、不安になって「...それが何か?」と恐る恐る尋ねました。
「他の車とトラブルになった覚えはありませんか?」
「トラブル? 事故などは起こしていませんし...」
「ええ、事故にまでは至っていなくても、です」
昨日は少し離れた街まで買い物に行って、帰ってきただけです。
「...他の車を追いかけた記憶はないですか?」
そう言われてやっと勘付きました。
昨日、買い物の帰り道、前の車のブレーキランプが片方切れているのに気づきました。
私の街へ帰るには一本道なので、ずっと追いかける形になり、気になってしようがありません。
数少ない信号の一つに引っかかり、前の車と一緒に停車する形になりました。
我慢しきれずに車を降り、前の車に教えてやろうと近づきました。
中年女性らしい運転者は前を見つめたままハンドルを握りしめ、窓を開けようともしません。
窓を軽くノックしても返事もなく、よほど緊張して運転しているように見えました。
やむなく少し大きめの声で「ブレーキランプ、片方切れて...」と言いかけたところで信号が変わり、その車は一気に発車していきました。
「何か様子がおかしいとは思っていましたが...」
「あおり運転との通報がありましてね」
「はあ? とんでもない!」
「通報者はあなたの車のナンバーを覚えていらっしゃって、ずっと追いかけられてとても恐ろしかったと...」
「一本道ですからね、私の後ろにいた車だってずっと一緒でしたよ」
「いや、でも振り切ろうとスピードを上げると一緒に速度を上げたと...」
「制限速度より10キロ以上遅かったので...見通しが利かないから抜くわけにもいかないし、少し速く走ってくれたのでホッとしてたぐらいです」
「ははあ、信号で停まったときに怒鳴りつけられたと言っていますが...」
「窓も開けないし、こっちも見ないし、大声で言うしかないじゃないですか。怒鳴ると言うほどの強さではなかったと思いますよ」
この他にも私がいかにいらついた様子だったかとか(ノロノロ運転で確かにいらついてはいましたが...)。
早く行けと指で合図されたとか(もしかしたら気づくかと思ってブレーキランプを指差していたのは見えていたらしい)。
恐ろしい形相でにらみつけていたとか(これで普通の顔です。失礼な!)いろいろと訴えがあったようでした。
警察の方には、今回のことは誤解だったと分かってもらい、通報者には警察から顛末を伝えていただけるということでした。
親切心から行ったことがあらぬ疑いを受けたことに、なんとも言えない鬱屈を感じた出来事でした。
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