最期に孫と遊べて良かった...「妹のお腹の赤ちゃんは女の子だよ」と予言して旅立った母

<この体験記を書いた人>

ペンネーム:はおり
性別:女
年齢:58
プロフィール:専業主婦です。子どもは3人。みんな独立しています。趣味は断捨離と猫と遊ぶこと。

最期に孫と遊べて良かった...「妹のお腹の赤ちゃんは女の子だよ」と予言して旅立った母 40.jpg

今から20年前、私が38歳のときに母が肺がんで亡くなりました、63歳でした。

父は、母よりも2年早く脳梗塞で70歳で亡くなっていました。

当時、私は9歳の女の子と5歳の男の子の2人の子どもを抱え、妹は35歳で初めての子どもを妊娠中(3カ月でした)。

母は手術をしましたが、妹と私は、医師から1年持つかどうか分からないと厳しい宣告を受けていました。

その後いったんは退院したものの、術後の病状が思わしくなく、またすぐに入院。

妹と私は交代で母の看病をしましたが、母には病名を伏せていました。

最近は告知をするケースもあるようですが、医師、妹、私の3人で相談した結果、母には告知しないことにしたのです。

母の性格から、告知をすると精神的にもたないと判断したからです。

しかし、母はうすうす、感づいていたような気がします。

私は娘や息子を連れて母の病室に看病に行きました。

孫の顔を見るときは、母は辛い病気のことを忘れてうれしそうにして、孫たちから学校のことや友だちの話を聞いていました。

また、妊娠中の妹が看病に行くと、いつもお腹の赤ちゃんの話を楽しそうにしていたそうです。

ある日、私が看病に行くと、眠っていた母がパチッと目を覚ましました。

そして、私にこう言ったのです。

「今、妹の赤ちゃんと一緒に遊んだ夢を見たよ。かわいい女の子だったよ」

「へー、夢では女の子やったん? 生まれてきたら、正夢かどうか分かるね」

「多分、女の子や。私は会えないかも知れんけどね。女の子と思うよ」

何言っているのーなどと返しながら、やはり、母は自分の病状のことを知っていたのだろうと思います。

その話をした翌日の明け方に、病院から母が危篤だと電話がかかってきました。

私と妹は、急いで病院に駆けつけましたが、母はその日、天国に旅立ったのです。

お通夜、葬儀が終わり、私は妹に母が亡くなる前の日に妹のお腹の赤ちゃんは女の子だと言っていたことを伝えました。

夢で妹の赤ちゃんと遊んだことも伝え、妹と私は一緒に泣きました。

それから7カ月後、妹は、無事に元気な女の子を出産。

皆で、母の予言が当たったねと言い合いました。

今でも、母の命日で皆が集まるときに、決まってその話になります。

きっと、母の夢の中に妹の赤ちゃんが遊びに行ったんだねと誰かが言いました。

私もそんな気がしてなりません。

亡くなった母は特別に霊感が強いとか不思議な体験をしたことはなかったです。

しかし、母の最期のメッセージは、妹や私や孫たちのことをいつも気にかけていてくれた、母らしいものだと思います。

関連の体験記:【漫画】67歳母がガン闘病中に「マンション買ってん」。完成間近に告げられた余命に涙...<前編>
関連の体験記:「最期にめちゃくちゃがんばったやないか!」最高に美人になった母との別れ/中道あん
関連の体験記:誰もいないはずの場所で「ドン!」と押され、焼失した神社跡で写真を撮ったら正体不明の光が...!?

健康法や医療制度、介護制度、金融制度等を参考にされる場合は、必ず事前に公的機関による最新の情報をご確認ください。
記事に使用している画像はイメージです。
 
PAGE TOP