<この体験記を書いた人>
ペンネーム:やまと
性別:女
年齢:41
プロフィール:10歳年上の夫と二人暮らしの主婦です。
先日、知らない番号から電話がかかってきました。
宅配便が届く予定だったのでその関係かと思って出てみると、大学時代の同級生男性Aからでした。
Aとは卒後以来連絡を取っていなかったので約20年ぶりです。
「久しぶり! 電話番号変わってなかったんだね、最近どうしてるの? 僕は○○県で働いていて...」
一通り近況報告を終えると「ところで今度会えない?」と言ってきました。
その頃はちょうど緊急事態宣言の最中。
「感染拡大していて不要不急の外出はしたくないから、ごめんね。もうすぐ夫が帰ってくるしご飯作らなきゃいけないから切るね」
そう断ったのですが、Aはなかなか電話を切らせてくれないのです。
「そっか...それは残念だな、話したいことがあったんだけど。とってもいい話だから聞いて欲しかったし、絶対に損はさせないと思うよ。でもしょうがないよね、またかけるね!」
切り際の何か含みをもたせた言い方が気になりました。
Aとは同級生だったものの特別仲が良かったわけではなく、20年音沙汰もありませんでした。
そんなA から急に連絡があり、しかも話し方が妙にハイテンションで20年前よりも馴れ馴れしい感じでした。
私の記憶にあるAは勉強もスポーツも上手にこなすイケメンで、当時人気のあったアイドルに似ているとクラスでも話題になっていましたが、クールで自分から積極的に人に話しかけるような印象はありませんでした。
違和感をもった私は、久しぶりにAと仲の良かった大学時代の同級生に連絡をとってみました。
すると案の定、Aは最近になって大学時代の仲間を宗教がかった自己啓発セミナーに勧誘しまくっているとのことでした。
最初は「仕事の効率を上げるための無料の勉強会がある」などと言い、セミナー講師を教祖のように崇める集まりに参加させ、何かと理由をつけ高額なものを買わせるようです。
ネットで調べるとその団体の被害体験談がたくさん出てきました。
もちろん宗教や自己啓発自体は悪いものではないですが、無理矢理な勧誘をしたり、騙すようにお金を出させたりするのは問題だと思います。
さらに驚いたことに、Aはお寺の娘さんと結婚して婿養子になり、今では住職をやっている同級生Bのことも「より多くの人を救えるようになる」「入らないと時代に乗り遅れる」などと理由をつけて勧誘しているとのことです。
「Aがいつか違う道に進みたいと思った時に助けになれればと思い、Aの話は聞き続けているよ」
優しいBはそう言っているようですが、いくらなんでもお寺の住職まで勧誘するとはあまりにも見境がなさすぎます。
私のところにはその後も頻繁に電話がかかってきました。
出ないでいたら徐々に頻度が増え、深夜にもかかってくるようになったため、ついに着信拒否にしてしまいました。
優秀でイケメンだったAがどうしてこうなっちゃたんだろう...と少し寂しい気持ちです。
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