<この体験記を書いた人>
ペンネーム:みけ
性別:女
年齢:51
プロフィール:両親と同じ敷地内に住んでいる51歳自営業。
21年前、私が30歳のときの話です。
当時、結婚2年目だった私たち。
私が勤める会社は当時携帯電話の代理店もしており、私はその部署にいました。
そして取引のあった夫の会社に、営業と販売を兼ねて配置されたのがきっかけで、私たちは結婚したのです。
結婚をして間もなく、私より3歳年上で当時33歳だった夫の会社が大型の新店舗を出すことになりました。
それまで中規模店舗の経験ばかりだった夫は「新しくて大きな所で仕事がしたい」と、自分から希望して転勤を決め、大張り切りでした。
それなのに、一週間で職場放棄をしてしまったのです。
転勤に伴う引っ越しの片付けをしていると、突然帰って来た夫にビックリ。
事情を聴いてもきちんと話してくれません。
ただ怒って「ダメなんだよ」と繰り返すばかりです。
その一週間後に、まさに夫が放棄した店舗に営業担当として出入りすることになっていた私は「これは困った事になった」と焦りました。
しかし、夫に何と言っていいのか分からずに途方に暮れていました。
すると、夫もそのことを思い出したのか「お前も行くな。他の人に変わってもらえ」と言いだしたのです。
そんな理由で決定を変えることなどできないし、会社の期待も背負っています。
何より私自身も夫と同じように大きな場所で働いてみたい気持ちがあったので、断りました。
もちろん夫は怒って大喧嘩です。
「俺が行けなくなったのに、どうしてお前が行くんだ!?」
など言いがかりのような言葉をたくさん言われましたが、私も譲らず、結局その店舗で働き始めました。
働きに行く私と、会社の温情でクビは免れたものの自宅謹慎をしていた夫。
気持ちが収まるわけもなく、事あるごとに嫌味を言ってきました。
「仕事ができなくても女だからチヤホヤされてんだよ」
「残業? 俺がいられなかった場所で活躍ですか?」
チヤホヤされるどころか、夫の行動のせいで風当たりが強く針の筵でした。
でも、反論すればさらに空気が悪くなるのは目に見えているし、自分で選んだのだからと黙ってやり過ごしていたのです。
時間がたてば気持ちも落ち着いて、少しは冷静になってくれるかもと期待したのですが、夫は1カ月たっても何も変わりませんでした。
それどころか、なかなか謹慎が解けずに次の行き場所が決まらないことにいら立ちを感じて、癇癪を起すことが多くなりました。
元を正せば自分の感情のままに職場放棄したのが原因です。
謝るどころかそれはないでしょう?
結果的にこのことがきっかけで私の気持ちは離婚に向かい始め、1年後にはサヨナラしたのでした。
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