「まだそんな年じゃない」80代でもまだ車を手放さない義両親の老いと見栄

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ペンネーム:SAKURA
性別:女
年齢:40代
プロフィール:35才で結婚と同時に、長男である主人の実家で同居。理不尽な事ばかりの毎日です。

※ 毎日が発見ネットの体験記は、すべて個人の体験に基づいているものです。

◇◇◇

結婚した当時、私の両親は60代前半、義両親は70代半ばですでに高齢者でした。

その当時、80代の親戚がよく迷子になっていました。息子たちは遠くに住んでいたため、いなくなるとこちらに連絡が来て、朝でも、昼でも、夜中でも関係なく探しました。車でいなくなってしまうため、事故の心配、誰かを傷つけてしまうんじゃないかという心配、見つかるのかという不安の毎日です。

市町村運営の高齢者が利用できる低価格タクシーがあり、それを利用するように話すと「あれは高齢者が使うものだ」と利用するのを嫌がる親戚。義両親と私たち夫婦で手分けしてさがし、なんとか見つけ出すと、「どうにかしないとまたいなくなるぞ! まいったな~」と義父。「自分達もああなるのか、ああはなりたくない」と少し先の未来のことを話していました。私は義両親のこのような心配はしなくてよいのだと少し安心したのを覚えています。

夜中じゅう探し回り、帰ってくるのは明け方ということもあったため、親戚の息子さんたちにお願いし、親戚には車を手放してもらいました。

こんな経験を一緒にした義両親は現在80代。それぞれ車を所有し、「車検代がない」や、「車をぶつけてしまった」といった話を聞くようになりました。そこでそろそろ車を1台にしてみてはどうか、低価格タクシーの利用はお金がかかりませんよ、などと過去の親戚の話などを持ち出しやんわりと説得してみたところ「まだそんな年じゃない」と言い出し激怒するのです。「それぞれ車を持っていないと自由がなくなる」と言う始末。

私達が住んでいる地区では高齢者が多くなってきていますが、デイサービスや老人会の参加、低価格タクシーを利用する姿はほとんどみられません。義父は年々テレビのボリュームの音量が上がり、小さな畑や庭の手入れが一人ではできなくなってきました。義母は靴下を履くのに息がきれ、飼い猫を抱き上げることも困難。インターホンのチャイムが鳴っていても気が付かなくなっています。

最近、高齢者のブレーキのふみ間違いによる交通事故や、認知機能低下による逆走での事故が増えていますが、義両親は「まだ俺らは大丈夫だ」と自信満々。でも、その自信が怖いのです。ニュースで報じられる事故の当事者は、義両親よりだいたい年下です。免許の更新ができてしまっている内は、車を取り上げるのは無理そうに思えます。でも、迷子になってしまっていた親戚も、車を手放す半年前に免許の更新ができていました。

何かあってからでは遅いのに、聞く耳を持たない義両親。自分ではいつまでも気づけないのでしょうか。

車の維持が年金内で難しくなっているため義両親のお金の要求も増えていますが、応じないということで私たちの気持ちをわかってもらえるよう現在も抵抗中です。自分たちはああなるまいと夫婦で誓い合うのでした。

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