乳がんで乳房全摘出後に始まった放射線治療とホルモン療法/なないお

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乳がんステージ2B、リンパ節への転移あり、半年間の抗がん剤治療を経て乳房全摘出、リンパ節切除を受けました。平成29年1月より放射線治療が始まりました。

前回の記事:がん治療に100万円以上...!とにかくお金がかかった経験から伝えたいこと/なないお

放射線治療

放射線治療は25回、病院が休みの日以外は毎日通わなければなりません。抗がん剤の副作用や後遺症が残る術後の体には、毎日の通院はなかなかハードです。

私が治療を受けていた病院は少し家から遠かったため、近くにある病院を紹介してもらい放射線治療だけそちらに通うことにしました。

切除した後の部分に放射線を当てるのですが、肺や心臓を極力避けるため微妙な角度らしく、最初に体に油性マジックでお絵描きをされました。放射線を当てる場所が毎回ずれないようにするため印をつけるのです。

これがもうね、くすぐったい。めちゃくちゃくすぐったい。でも動いちゃいけない。

手術痕の部分は麻痺していたのでなんともないのですが脇の下までお絵描きされるんですね。仰向けに寝てバンザイしたまま。プルプル震えながら耐えていました。それも技師の方が若いイケメンお兄さんでおばちゃん恥ずかしい。

本当はマジックで印をつけた上に透明なテープを貼って印が取れないように保護するらしいですが、私は蕁麻疹もちで長期間のテープにかぶれてしまうため、しっかり描き込んで薄くなったら書き足すことにしてもらいました。なので何度かくすぐったい地獄を味わいました。

放射線治療自体は、体の位置を定めてからバンザイしたまま機械の上に寝転がっているだけ。機械だけが動いて5分ほどで終わります。痛くもかゆくも何も感じません。

副作用としてはだんだんと放射線を当てた部分の皮膚が日焼けしたように黒くなってくること。それも終わって数ヶ月で消えました。放射線治療の効果は終わってからもしばらく続くらしく、稀に数ヶ月後に肺にトラブルが出ることもあるそうです。(私はなんともありませんでした。)

一ヶ月ちょっと毎日通うことと治療費は、状況によってはキツイと思います。

ホルモン療法

放射線治療が終わり、次はホルモン療法です。

乳がんは女性ホルモンであるエストロゲンの影響を受けて増殖する場合が多いので、薬でエストロゲンを抑えて再発を予防するのがホルモン療法です。

乳がんのタイプによってはホルモン治療が効かない場合もあるそうです。効くタイプの場合、状況にもよりますが5年から10年続けます。私は10年続ける予定です。

薬は閉経前か閉経後によって種類が違うのですが、私はどちらかわからない時期で抗がん剤によって完全に閉経したようなので途中で薬を変えました。

一日一粒の内服薬を飲むだけです。副作用としては更年期障害と同じホットフラッシュ(ほてり)や発汗など、コレステロール値が上がりやすい、骨密度が落ちやすいなどです。

今私が飲んでいるアリミデックスという薬は関節痛の副作用があります。

この副作用が地味にツライ。ホットフラッシュはノボセのようなものだろう、くらいに思っていましたが、いきなりブワッ!と頭が熱くなって汗が出てきます。

それがひどい時には30分おきに繰り返される、真冬でも外に出たくなる暑さです。寝ている時でもホットフラッシュで目が覚めてしまいます。

何度も目覚めるので睡眠リズムも取りにくくなっています。このホットフラッシュは抗がん剤でも起きていましたが、ホルモン治療を受ける10年間続くと思うと先の長さにちょっと凹みます。

アリミデックスの関節痛は5割の人に現れるそうですが、私は見事にヒット。朝起きたら足首はこわばってグラグラ倒れそう、立ったり座ったりの動作が膝が痛くてどっこいしょ。足腰の弱ったお年寄りの辛さがわかるような気がします。これも薬を飲んでいる10年間続くかもしれないそうです。切ない。

抗がん剤治療の副作用で手足の痺れと痛みが残っていた上に、ホルモン治療の関節痛が重なり、今は痛み止めも一緒に出してもらっています。おかげで仕事に行くのが少し楽になりました。

運動による再発予防効果

私がかかっている国立の大学病院で、研究に参加しました。その際に、乳ガンの再発予防に実際に効果があったという結果が出ているのは、太らないことと運動だけと伺いました。

有酸素運動を行う習慣をつけると、ホルモン治療の再発予防効果と同じくらいの効果が得られるそうです。そのための運動習慣をつけるにはどうすれば良いかの実験に参加し、スポーツクラブに通わせてもらいました。

スポーツクラブに通っている期間の途中から仕事に復帰したため、体力的にきつく途中でやめてしまったのですが、仕事自体がかなり体を動かすのでそれ代用としています。

私には仕事以外で運動習慣を身につけるのは難しいようでした。運動嫌いです。

そう言えばガン治療を始める時に主治医の先生に「日常生活で気をつけることは何かありますか?」と聞いたら

「太らないこと、運動すること、風邪引かないこと」

と言われた記憶があります。他は何食べてもいいし特に制限はないと。

ところが抗がん剤治療が私にはきつくてゴロゴロ寝てばかりいたため、なんと10kg太ってしまいました。太ると再発率が上がるそうです。

しかし抗がん剤が終わりだんだんと元の生活を取り戻し職場復帰もしたため、体重は一年半でほぼ元どおりまで落ちました。このまま維持したいと思います。

次回で私の乳がん体験記も最終回となります。

乳がんという病気を患って一番大変だと思ったのは、メンタルの維持でした。

生きたいという気持ちと迫っているかもしれない死への恐怖。この受け止め方は人それぞれ大きく違うものだと思いますが、私の体験や今の気持ちを書かせてもらおうと思います。

>>次回へ続く

関連記事:南雲吉則先生の「乳がん予防」(3)乳がんはどうすれば予防できるか?

医療監修:すわやまクリニック 田島厳吾 院長

なないお

アラフィフの乳がんサバイバーです。発達障害児をふたり育てるシングルマザー。アスペルガー症候群・ADHDの娘は12歳、自閉症スペクトラムの息子は10歳。心臓病の私の父親(76歳)も同居。パート勤務、ブログなど文章を書いて暮らしています。

健康法や医療制度、介護制度、金融制度等を参考にされる場合は、必ず事前に公的機関による最新の情報をご確認ください。
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